ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート

第4回MF文庫Jライトノベル新人賞・優秀賞受賞作。
死んでも生き返るイケニエビトと、そのイケニエビトの記憶を食べるタマシイビト。タマシイビト記憶を食べられると、他人の記憶からもその存在を示すものが消えてしまう。そんなイケニエビトな高校生の少女が、音楽を通じて自分の声を世界に残そうとするお話です。
微妙な感じ。もう少し音楽を中心とした話かと思っていましたが、実際はそうでは無く。イケニエビトなヒロインと、彼女を「殺した」事のある男女それぞれの同級生の交流していく展開。命のやりとりがある殺伐とした展開ですが、けどそれも未来を見据えての行動。記憶を奪われる事無く、仲間と共に生きていくため、タマシイビトの手を逃れるため、辛い選択を選ぶ同級生達の決意は良い感じでした。
しかし、終わり方があっけなくて拍子抜け。そんなアッサリ...。勇気を出して立ち向かった結果に掴んだものだから、良い終わり方だとは思うんだけど、個人的には何故か微妙な感じがしてしまいました。多分何百年と続いた問題の解決法がこれ? みたいな。
こんな感じの1冊でした。エピローグ以外は普通に読めたので、今後に期待。