原点回帰ウォーカーズ

『プリンセス・ビター・マイ・スウィート』の作者の人の新作。
舞台はとある高校。どこかしら秀でた人間ばかりの学校で、十哲やら三奇人と呼ばれる特に凄い学生もチラホラ。主人公はその高校に通う女子高生で、『彼ら』と名乗る組織が巻き起こすおかしな事件の解決に奔走するのだが...と言うお話。
とにかく変なお話でした。このあらすじで説明になっていない気がするぐらい。誤解を招くような表現だけど、夢オチが連発するような展開とでも言えば良いのでしょうか。それぞれの事件は現実世界で起こっている事ではなく、これはフィクションだ!! と言い切ればフィクションの世界から現実世界に戻る、と言う設定です。
何度も違うフィクションに巻き込まれ、その度に同級生の十哲が死ぬ。しかしフィクションから醒めれば誰も死んでいない。こんな事件を延々と繰り返していくうちに、『彼ら』の目的が分かり...と言う感じなんですが、このフィクション部分が突拍子も無い展開だらけで、色々と戸惑いました。フィクションなんだから何が起こってもおかしくないと言われればその通りなんですが、読んでいてすんなりと内容が頭の中に入ってこなかった気がします。しかし、最後は綺麗にまとまっているのは好印象。ヒーローは誰のためのヒーローなのか。これが大事なんだなぁと思わせてくれました。
こんな感じの1冊でした。これもシリーズ化するんでしょうか。『ビター・マイ・スウィート』も続かないと思ったら続きが出たくらいだし...やっぱり出るのかな?