アクセル・ワールド 1

第15回電撃小説大賞・大賞受賞作。
脳を直接ネットに繋ぐ、「ニューロリンカー」が普及した近未来で、主人公はちょっと太った中学生。いじめられている鬱憤をネットゲームで憂さ晴らしをする日々立ったが、ある日、黒雪姫の異名を取る美人な先輩に声をかけられて...と言う所から始まります。
感覚を加速し、時間を1000倍に感じさせるソフト『ブレイン・バースト』を使い、加速したネット空間で自分のアバターを操って格闘ゲームを繰り広げる展開。設定も分かりやすく、キャラも良い感じに立っていて楽しく読めました。題材が格闘ゲーム、負けるとペナルティもあるので、かなり殺伐とした展開になるかと思いきや、かなり優しい雰囲気のあるお話でした。学校一の美人な先輩に声をかけられ、容姿に自信の無い主人公が振り回される流れが素敵です。

しかし、コロコロと極端から極端に言動が転がる主人公はどうなのよ? と読みながら思ったものですが、よくよく考えてみればまだ中学1年生なんですよね。こう言う言い方が正しいのか分かりませんが、とても年相応な反応をするキャラだったと思います。その事を踏まえると、逃げず(いや逃げるんですが)、最終的にはちゃんと戦う主人公を応援したくなります。
また、姫を名乗り、主人公を導く立場のヒロインも、中学2年生。普段はとても達観しているんですが、その言動が崩れ、素直な感情をぶつけるシーンには悶えました。自分、こう言うギャップに弱いんだよなー。

こんな感じの1冊でした。もう少しこうだったら良かったなーと思う所もチラホラあったりもしたんですが、全体的には楽しく読めて満足です。本格的に戦いが始まるのは次巻以降でしょうか。楽しみ。