本日の騎士ミロク 1

田口仙年堂が富士見ファンタジアから新シリーズ。
国のために働く者は、コックさんでも事務担当でも、皆「騎士」。それぞれがそれぞれに合った剣を与えられ、騎士となる。そんな国が舞台。そんな騎士に志願した主人公・ミロク。剣に自信があるため、戦闘要員として志願したものの、配属された赤目部隊では剣が与えられず、しかも仕事は王女の身の回りの世話。さらにこの王女、人前では物凄く清楚可憐で国民にも大人気だが、その本性は...と言うお話です。

結構面白かったです。正直、序盤は姫に振り回されっぱなしのミロクに同情。ジュジュがどうにも好きになれず、ミロクが怒るのも仕方ないなぁと思いつつ読んでいた訳ですが...他の隊のメンバーは、その姫のわがままにも愛想を尽かしている風でも無く。むしろ仲良くやっているのを見て、何かあるなーと思っていたら...終盤、姫の仮面が剥がれてからが良い感じ。

国中から慕われ、生きる希望の一端を担う。直接争いには関われないけれど、だからこそ皆を支える方に回る。これもある意味辛い選択。そんな気丈な姫も、1人の女の子である事には変わりない。素の気持ちでストレートに頼まれたら、もう返事は1つしかありませんよねー。こういう展開大好きです。まさに騎士。

そして剣に自信がある! と言い張っていたミロク。ずーっとミロク視点で話が進むため、嘘か本当か分からないままだったのですが...やるなー。姫の親衛隊配属はダテじゃなかった。そして出自も...出身国は予想通りでしたが、出自は予想外。これは楽しくなりそうです。終盤の戦いの時の、「剣」にまつわる姫の思わせぶりな態度もあるし...張られた伏線が楽しみ過ぎる!

と言う訳で、最後まで読んでみれば、普通に満足な1冊でした。面白くなりそうなシリーズですね。続きにも期待。