原点回帰ウォーカーズ 2

シリーズ2冊目。何かしらに秀でた生徒達が集まる私立御伽坂学園。その学園でも特に優秀な生徒には十哲と言う称号が与えられる。そんな十哲たちを中心とした、学園で起こるどドタバタ劇なお話です。

1巻はとても不思議な内容で、読んでいて戸惑いっぱなしだった印象が強かったのですが...なんだこの2巻。完全にラブ寄せ!!!! 短編が3つ収録されているのですが、どれもこれも物凄い勢いでラブコメしてますよ? 確かに1巻も恋愛要素はあったけど、まさか2巻でここまで恋愛重視になるとは...大変面白かったです。

特にお気に入りなのが最初のお話。十哲の中でも最高峰に位置する三奇人の1人である小説家・芝蘭が十哲入れ替え戦に臨むお話なんですが...これが切なくて切なくて最高でした。女子人気の高い俳優な生徒を相手に戦うけれど、人気投票では絶対に負ける。せめて一矢報いようと本気の小説を書こうとするものの、筆が止まって書けない。これだけでも面白いのに、そこに他2人の三奇人との友情、そしてどう願っても叶いようが無い恋の話まで絡んできて、読んでいて物凄い勢いでゴロゴロしたくなりました。そして、最後の初稿の部分でトドメを刺されました。こういう話ホント大好き。鵺子も甘南備も素晴らしいです。友情万歳。しかし甘南備...多分、芝蘭の気持ちには気づいているんだろうけど、どうするんだろうなぁ。

また2話目もお気に入り。呪いのエキスパートな竜太朗と科学のエキスパートな火燐が勝負する話なんですが、これまた見事にラブ寄せ。男子側が呪えたら勝ち、呪えなければ女子側の勝ち。明らかに女子側が訳アリなんだけど、そうとは気付かずにひたすら勝負にがむしゃらになる展開。そして真相が明らかになってからの勝負に臨む真剣さが熱い熱い。この2人の今後が楽しみ過ぎる...。竜太朗は鈍感属性を持っているようなので、ラブコメ主人公として上手くやっていけると思います。

こんな感じの1冊でした。1巻からの変わり様にはちょっと驚いたけど、凄く面白いので問題無し。続きにも期待。