Xの魔王

伊都工平の新作。
魔王に挑んで相打ちになった勇者の恋人である、とある国の王女を中心に話が進みます。帰ってこない恋人の帰りを待ちわびる王女の元に、勇者の目撃情報が。喜び勇んで駆け、再開を果たすものの、実はこの勇者は...と言う感じのお話。
面白かった! しかしネタバレ無しで感想書くのが難しいので、以下、若干内容に触れますので注意。



倒したと思った魔王が、勇者の身体を得て復活。力は弱まったものの、反乱を扇動し、国に混乱を招く。この事実を知った王女は、国に知らせようとするものの、そもそも国の政治は乱れ、民衆の支持を失っていると言う設定です。王女の心の強さが素晴らしい。知らなかった事実を突きつけられ挫けそうになっても諦めず挑む姿勢が良かったです。恋人の身体を持った魔王を目の前にしても怯まず生き残る術を探り、国の現状を知ったら、たとえ父である国王相手にもハッキリと物を言う。前向きなキャラは読んでいて気持ち良いです。魔王も魔王で、力はあるもののどこか抜けていて憎めないし。途中から、誰が本当の悪役なのか、分らなくなりました。

しかし、この本領は終盤。終盤で一気に話が物凄い方向に転がっていきました。これは予想外過ぎる。えーと、真の主人公はお前だったのか!! ラスト数ページで、色々とひっくり返された気分になれます。この先、どんな展開になるのか全然分りません。これは続きが気になって仕方ない。続編希望。