烙印の紋章 4

剣奴隷から皇子の影武者となった主人公の物語・第一部完結。

己の復讐を果たすのか、それとも偽の王子として振舞ってきた過程で巻き込んだ人たちに対する責任を果たすのか。目的達成が目の前にぶら下がり、しかしそのチャンスにめぐり合えるまでに築いた人間関係を無視できない。なんと言う板挟み! 昔のオルバなら、脇目も振らずに復讐に飛び付いただろうに...。ここで悩むあたり、成長の証拠でしょうか。さらに複数の国の思惑が交じり合い、その中でどの道を選ぶのか。読みながらハラハラしていました。

そして最終的には...そこですか。この決断は勇気が要っただろうに。けど、ちゃんと各方面にケリを着けたのは素晴らしい。一体どれだけ考えて、この結論に辿り着いたんだろう...なんて考えると、凄く重い気分になります。ビリーナだけが報われない展開が切な過ぎる。この事も踏まえての決断だろうけど、流石に可愛そうに思いました。彼女も幸せになってなって欲しいなぁ。この辺は第二部に期待。と言うか、ここで終わるのはホントに勘弁。第二部開始を切に願います。