マリア様がみてる 私の巣

まだまだ続く『マリみて』シリーズ新刊。
今回の主役は一般生徒の朝倉百。母親が再婚し、父親の家に移り住む事になったが、その家は自分達を含めて3世代が同居する大家族。その家の日常と学園生活がメインのお話です。
リリアンを舞台にしているけれど、薔薇の人たちはつぼみを含めて殆ど登場せず。ちょっと不安でしたが、読んでみればちゃんと『マリみて』で楽しかったです。取り立てて大きな事件が起こる訳でも無く、ちょっとした出来事を書いてく感じなので、どこかホンワカした雰囲気が素敵。華やかな山百合会の面々が出てこなくても、他にも生徒がいてそれぞれの人生を送っていると言う、至極当たり前の事を再確認しました。家族ものとしても、主人公が引っ越した先の家族と徐々に打ち解けていく様が良かったです。
別に母親の再婚当初にギクシャクしていた訳では無いんですが、それでも一緒に暮らしていく内に変化があって。それを強く感じたのは最後の章。最後の章に辿り着いてそのタイトルを見た時、妙に嬉しくなりました。もし読む機会があるのなら、目次には目を通さず読む事をオススメします。