花×華

岩田洋季の新刊。
舞台は高校。その高校に通う主人公の下に、1通のラブレターが届く。呼び出された先で、学校を代表する2人の美少女から、突然同時に告白を受けて...と言うお話。主人公は有名な映画監督を父に持ち、自身も映像研に所属。ヒロインの名前は花と華、2人の「はな」から「主人公が撮った映像の中で自分が輝いていたから」と言う理由で告白された主人公が、2人の猛烈なアタックを受けつつ、映画を撮る形で話が進みます。

岩田洋季と言えば絵画を題材とした『月の盾』と言う作品がありますが、今回は映像が題材。話の展開もラブコメと青春モノが混ざった明るい雰囲気が漂います。物凄い勢いでアピールしてくる2人のヒロインに翻弄されつつも、映画を撮ると言う目的のために頑張る主人公が良かったです。正反対の性格なヒロイン達も可愛かったし、それなりに面白かったです。
しかし、ヒロイン達の主人公に対する気持ちが理由が深く語られないままに進むので、どうにもスッキリしない所が。最後まで読めばその辺のわだかまりは解けるのですが、ラストはラストで「ここで終わるの!?」と思ってしまいました。どう終わったかは読んでのお楽しみですが、これで続きが出なかったらちょっと哀しい。ここで終わってもおかしくないラストなだけに、少し不安...。