ゆうれいなんか見えない!

第1回GA文庫大賞・奨励賞受賞作。
強い霊感があって、幽霊や妖怪が見えてしまう高校生の主人公。中学時代はその事でからかわれた事で、高校では「幽霊なんか見えない」と言う立場を貫くつもりだった。しかし新学期初日、いきなり通学路で幽霊に絡まれる。その時、通りがかった小さな女の子にその幽霊について話しかけられ...と言うお話。
小学3年生で退魔師のヒロインと、飛びぬけて霊感の強い主人公の交流を書く展開。人前では幽霊なんか見えないと言う立場を貫き、クラスメイトと話を合わせる主人公。ヒロインと知り合った当初は、普段から幽霊の話をしまくって巷では有名なヒロインとの距離を取ろうとするのですが、しかしヒロインはヒロインで、幽霊の話を信じてくれた主人公に懐く。序盤から中盤の、互いの気持ちがすれ違う展開は切ないし、後半の徐々にヒロインの気持ちを考えるようになり、幽霊が見えないと言い張る事についてわだかまりを感じるようになっていく展開は良い感じ。
しかし、このご時世でこの内容は色々不味いんじゃなかろうかとも思わなくもありません。普通に互いに意識しあって、ラブコメ風になっていくもんなぁ。ガチで小学生と高校生の恋愛は読んでいてどうにも楽しみきれない...。これが大人同士の話だったら、凄く好みの作品だろうと思いました。