イスカリオテ 5

シリーズ5冊目。
時はクリスマス。お祭り気分で賑わう街ですが、どこか違和感が。「これから突き落とすぞ!」と言う雰囲気がヒシヒシと伝わってくる内容に否が応でも不安をかきたてられましたが、事実凄い事になってます。一気に話が大きくなりました。前巻で復活したあの人が登場しただけでなく、街を襲う過去最大級の危機。
しかも主人公は、自分がイザヤの替え玉だとバレかかり、味方の士気にも影響が出る中、イザヤがぶつけた本心。これには物凄く興奮しました。双子の弟の替え玉として街に来て、表面上は英雄の振りをし続けていたイザヤ。たとえそれが模倣だったとしても、本人がそれを望んじゃいけない理由は無いですね。短い期間だけど街に住み、多くの人に触れてたどり着いたこの結論は、本当に強固なものでしょう。しかしラストにはビックリな展開が。え...勇哉...だと!? 一体どう言う事なんだろう...。
また、ノウェムも良かったです。イザヤに対する気持ちが何なのか分からず持て余す姿に「それは恋だから!」と何度教えてあげたくなった事か。前半、クリスマスに浮かれる展開にはニヤニヤしっぱなしでした。後半の厳しい展開の中でようやく気付いた自分の気持ちにどう応じるのかなぁ。
諌也のフリをする勇哉、人間のフリをするノウェム、神の奇蹟を模倣するイスカリオテ。何もが何かを模倣するお話の中、完結まで残り2冊と少し。どんな結末を迎えるのか、楽しみです。