パラケルススの娘 10

シリーズ完結。
ここまで来たら後はただ結末を待つのみ...と言う気持ちで読んでいたのですが、素晴らしかったです。シモンの野望のため、ロンドン、そして世界が危機に直面する中、遼太郎が踏ん張る。流石のクライマックスで怒涛の展開が続き、どうなる事かと思いましたが...やっぱり最後はこうじゃないと。
クリスティーナの凍りついていた心が溶け始めた事。シリーズを通して、これがあったからこそ、この結末に辿りつけたと思います。そのその第一人者は遼太郎。あれだけ適当な扱いを受けてもめげず挫けず付き添った所に、彼の良さと人を見る目を感じました。また、その後に増えた美弥子や和音達だって、間違いなくクリスティーナの大事な存在となっていたはず。そう考えると、これは皆で掴んだ勝利ですね。
そしてラスト。作品の時代と、クライマックス後の会話を考えると、この歴史には触れない訳には行かないよなぁ。誰にとっても辛くて重い事だったと思うけど、遼太郎はどう言う気持ちで迎えたんだろうなぁ。

こんな感じで、最後まで楽しめたシリーズでした。次回作にも期待しています。