僕たちは監視されている ch.2

情報や秘密を知りたくてたまらなくなるIPI症候群と呼ばれる人々と、その人々のために私生活をweb配信するIPI配信者。高校生でIPI配信者である主人公・祭を主人公としたお話の2冊目。
とても面白かったです。1巻よりずっと良かった。前巻ではIPI症候群の人の辛さや怖さがそれほど良く分からず、どちらかと言えば配信者側にスポットが当たっていたのですが、この2巻では逆。祭とユイガの交流を通しつつ、話の焦点はIPI症候群の人へ。身近な人間にその疑いがかかり、一度発症したら隔離され、自由に外に出る事も出来ない事や、情報に飢えるとどうなるのか...等々、スクリーンの向こう側だった事がすぐ隣に起こるかもしれないと言う怖さと辛さが伝わってきて良かったです。
前巻で仲良くなった祭とユイガ。2人の仲は徐々に進むのですが、でもユイガが学校に馴染むためには、彼女の配信がストレスになって自殺未遂をしたクラスメイトの夕菜との仲直りが必要。しかしそう簡単には行かなくて。ユイガは必死に真摯に夕菜と向きあうけど、夕菜はまだ相手にしてくれない。祭も夕菜と話すけど、こっちは良好。一体夕菜に何があったのか謎のままに進みつつ、終盤は怒涛の展開。ラストが凄く良くて、素晴らしかったです。ここで起こった話は決して優しくは無いし辛い事だけど、決して不幸な訳では無い。何とも言えない雰囲気が最高でした。次の巻から、あのIDを探してしまいそうだなぁ。