ニーナとうさぎと魔法の戦車 2

シリーズ2冊目。魔力を動力に動く戦車と、戦車乗りとして生きてきた少女・ニーナのお話の続きです。前巻で首なしラビッツから離れ、両親を探す旅に出たニーナですが、途中で立ち寄った街・エンデの開拓村で家族との再会を果たす。しかしその村はとある脅威に怯えていて...と言う感じに話が進みます。

少し考えさせられる1冊でした。ラビッツの元を離れてエンデの街で出会った、ゴスロリ & 眼帯で身を固めた明るい少女・テオドーレ。エンデの市長である彼女に出会って良くしてもらい、家族と再会し、自分を売った親との間にあった確執が徐々に解け、村を襲っていた脅威にも上手く立ち向かう。トントン拍子で話が進んで行った先に待っていたのは、予想外の結末。
ラストの展開に他の選択肢は無かったのか...と思ってしまい、どうにもやるせなさが残りました。市長として小より大を取る、少ない犠牲で多くの人を救う、と言うテオドーレの行動は決して間違ってはいないと思います。しかしそれが行き過ぎた以上、先に残っているのは破滅しかない。それが分からない彼女では無かったと思うのですが...。
テオドーレは確かに幸せを掴んだ。でも、幸せってなんだろう。彼女の残した最後の言葉の意味が、未だに完全には理解出来ません。