放課後は無敵ですが、何か?

主人公は男子高校生。学生寮へと入寮したが、この学生寮の生徒達は、眠りについている間、異世界の姫・ハルカに召喚され、強力な力を持つ「龍仙士」として戦っていた。詳細を知らされぬまま異世界へと招かれ、龍仙士となった主人公だったが、何故か能力に目覚めなくて...と言うお話。

夢の中で異世界に召喚されて戦う、と言う設定が魅力的だった1冊。主人公達を召喚している姫・ハルカは敵が多く、多勢に無勢な状況なのですが、龍仙士の力が強大で、何とか凌げている状況。序盤、主人公は最初戸惑い、さらにロクに力を持たない、と言う設定のお陰であまり活躍する場面がありませんでしたが、後半に進むに従い、徐々に見せ場が増えていく展開が良かったです。
夢の中で死んでしまった時のペナルティが、二度と召喚される事はないと言うだけで軽かった事や、同じ学生寮の仲間と共に戦うと言う事もあって、お気楽な展開なのかと思いきや、中盤は予想外にもシリアスな展開が待っていてビックリ。いくら同じ学生とは言え、そして夢の中だけとは言え、一騎当千の力。良からぬ事を考えるキャラがいてもおかしくないですね。さらに、とある条件が揃うと夢から出られなくなる設定がずっしりと重く響きます。この設定が話をとても面白くしているように感じられて良かったです。
この巻は一通り設定の説明に終始した感じで、まだまだ話は始まったばかり。どうなるか楽しみ。しかしヒロインの1人だと思っていたキャラがいきなりリタイアしたんですが、これ次の巻からどうするんだろう。続くんだよね...?