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ITOinLAの日記

2011-11-23

(No.58) ”日本語”で幕開けをした全米外国語教師学会

 昨今のアメリカ非営利団体では、その年次総会は、ここはハリウッドか、ラスベガスかと思うような趣向で開催されます。派手な舞台や音楽演奏なども余興として提供され、出席者が参加して“楽しかった”と思えるようなひと時に演出されているのです。不況が長引くアメリカで、高い会費や航空費を払って来るからには、お楽しみもほしいということで、風光明媚なところでリトリートと称して開催されるのも、その理由のひとつかもしれません。学会の年次総会もしかり。

 ですから、今回(11月18日)のACTFLの年次総会がコロラド州デンバーコンベンション・センターで始まったとき、シルク・ド・ソレイユ張りのペアのアクロバットが、ドラマティックな音楽とともに天井からぶら下がって登場してきても、大して驚きませんでした。

 しかし、そのメインイベントの一つ、ACTFL全米語学教師2011年賞(ACTFL National Language Teacher of the Year)の最終候補者5名の名前が読み挙げられ始めたときには、さすがに驚きました。まっさきに、サンフランシスコの高校で日本語を教えられている安座間(あざま)よう先生の名前が呼ばれたからです。

 ACTFLは全米でも会員数1万2千人が登録する、外国語教師の学会では最大のものです。この年次総会にはその半分が出席するということで、展示スペースには、語学教材や出版社、各国の文化機関や政府機関などがブースを出展し、さながら大コンベンションの呈をなしているわけです。

 晴れやかな表情で壇上に現れた安座間先生は、めずらしくスーツ姿でした。この夏、国際交流基金が全米各地に派遣した日本語教師アシスタント15名の研修をロサンゼルスで開催した際に、アメリカで実際に教壇にたつ先輩として、安座間先生に講演を依頼してお話していただきました。日本語の教師になるべく勉強してきた優秀な先生の見習いたちも、はたして本当のアメリカの高校の教室は、どんな具合なのか、クラスマネージメントはどのようにするのか、そんな基礎的なことだけれど、実体験者でないとわからない事柄を中心に教えていただきました。“アメリカ西海岸”という雰囲気に包まれ、とても気さくで面倒見の良い近所のお兄さん、という印象でした。

 他の4人の候補者は、すべてアメリカ人の女性教師で、それぞれ中国語スペイン語などを小学校や中・高校で教えている方々。どなたも貫禄のある経験豊かな教師という感じでした。そして、最後に受賞者として安座間先生の名前が呼ばれたときには、会場から大きな歓声があがりました。

 安座間先生の受賞の挨拶もそれは堂々としたスピーチで、沖縄から駆けつけたお母さんや、ディズニーランドに本当は行くはずだったのにという姪っ子さんも紹介しつつ、この世が少しでも良くなるように、教師同士頑張ろうという締めくくりで会場を沸かせ、最後はスタンディング・オベイションでした。

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 まるでアカデミー賞のような授賞式


 この授賞式後に、この日のキーノートスピーカーが壇上に上がったときにも、また日本語が話題となりました。演者は、ミルトン・チェン博士。ジョージ・ルーカス財団で教育プログラム担当ディレクターを務めたチェン博士は、ルーカス監督から“ジェダイ・マスター”と呼ばれ、Edutopiaという教育者用のウエブサイトを立ち上げた人です。

 このチェン博士は、受賞者の安座間よう先生を、「僕がジェダイ・マスターなら、彼は“ヨーダ”だ」と称えて、会場内の覚めやらぬ興奮を引き取った後、さらには、Edutopiaのサイトでも紹介している、ポートランド州の日本語のイマージョン教育を実践している小学校をとりあげて、ビデオ紹介してくれたのです。

http://www.edutopia.org/portland-japanese-language-immersion-video

 全米でもっとも権威ある、外国語教師の学会でこれほどまでに日本語にスポットライトが当たったのはなかったと、長年の参加者も興奮気味で教えてくれました。

 アメリカにおける日本語教育の実態――最近は中国語の勢いにおされ気味という印象がありますが、このACTFLの2010年の調査によると、実際にアメリカ全体で日本語は9番目に多く学ばれている言語であり、また学習されるのが5番目に“望まれてる” 言語であるそうです。

 また、ブルムバーグ社の最新の調査によると、ビジネス上では7番目に学ぶことが必要とされている言語ということです。まだまだ日本語には高い感心があるのです。とかく不況の波で予算カットの話ばかりで、懐だけでなく首周りも寒いデンバーだったのですが、心はすっかり温まった旅となったのでした。

ACTFLから出たプレスリリース: http://www.actfl.org/i4a/pages/index.cfm?pageID=5308

安座間先生の地元のニュース:http://wlc.csumb.edu/news/2011/nov/18/mbflp-leader-teacher-year

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