もし外資系コンサルタントがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

どうなるんでしょうかね。
さっさとマネージャーやパートナーに昇進できたりしますか?笑

最近流行りのマネジメント、読んでみました。

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

1、マネジャーの資質

マネジャーは、人と言う特殊な資源とともに仕事をする。人は、共に働く者に特別の資質を要求する。人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だが、それだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。最近は、愛想よくすること、人を助けること、人づきあいをよくすることが、マネジャーの資質として重視されている。そのようなことで十分なはずがない。

一見して読み流しそうなところですが、非常に示唆に富む言葉が書かれています。
マネジャーは人をただ助けたり、優しいだけではダメ。部下に対しても自分に対しても高い品質の仕事を要求し、誰が正しいかよりも何が正しいかだけを考える。そういう天性の才能を持つ者こそがマネジャーとしての「真摯さ」である、とドラッカーは語っています。
これは厳しいですね。
なぜならば、このような資質は努力によって後天的に勝ち取れるものではないからです。
自分でいうのもなんですが、私は人に甘く、助けてしまう方です。また、他者に一流の仕事を要求したりもそこまでしていない気がします。ということは、自分に対してもそれほど高いハードルを課してはいないということです。

目が覚める想いをしました。
真摯さを自分が持てるかどうかは置いておいて、一流の仕事をする、と心を決めました。


2、目標管理

マネジャーたるものは、上は社長から下は職長や事務主任に至るまで、明確な目標を必要とする。目標がなければ混乱する。目標は自らの率いる部門があげるべき成果を明らかにしなければならない。他部門の目標達成の助けとなるべき貢献を明らかにしなければならない。他部門に期待できる貢献を明らかにしなければならない。目標には、はじめからチームとしての成果を組み込んでおかなければならない。それらの目標は、常に組織全体の目標から引き出したものでなければならない。組み立てラインの職長さえ、企業全体の目標と製造部門の目標に基づいた目標を必要とする。

あなたは勤めている企業の理念・目標をしっかり把握していますか?
ほとんどのビジネスパーソンは目の前の業務やノルマをこなすことに必死になってしまい、企業の目標にまで目が届かないことが多いのではないかと思います。
しかし、真に一流になりたいのならば、自分や自分がマネージする部下・仕事がどのように全社に影響を与えているのか考え抜かなければなりません。企業としての目標をしっかり考えたら、後はそれをブレークダウンして自分のタスクにまで落とし込みます。あとはそれを実現する道筋を描けばいいだけです。
そこまでやっていれば、自然と職位も上がっていくのではないでしょうか。

3、真摯さなくして組織なし

真摯さを絶対視して、初めてまともな組織といえる。それはまず、人事に関わる決定において象徴的に表れる。真摯さとは、とってつけるわけにあはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。ともに働く者、特に部下に対しては、真摯であるかどうかは二、三週間でわかる。無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たり得る。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのようなものをマネジャーに選ぶことを許さない。真摯さの定義は難しい。だが、マネジャーとして失格とすべき真摯さの欠如を定義することは難しくない。
①強みよりも弱みに目を向けるものをマネジャーに任命してはならない。できないことに気づいても、出来ることに目のいかない者は、やがて組織の精神を低下させる。
②何が正しいかよりも、誰が正しいかに関心を持つものをマネジャーに任命してはならない。仕事よりも人を重視することは、一種の堕落であり、やがては組織全体を堕落させる。
③真摯さよりも、頭の良さを重視するものをマネジャーに任命してはならない。そのような者は人として未熟であって、しかもその未熟さは通常なおらない。
④部下に脅威を感じるものを昇進させてはならない。そのような者は人間として弱い。
⑤自らの仕事に高い基準を設定しないものもマネジャーに任命してはならない。そのような者をマネジャーにすることは、やがてマネジメントと仕事に対する侮りを生む。

知識も指してなく、仕事ぶりもお粗末であって判断力や行動力が欠如していても、マネジャーとして無害なことがある。しかし、いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さにかけていては組織を破壊する。組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。

厳しい。この五つの条件に当てはまらないマネージャーなどほとんどいないのではないでしょうか。しかし、真にプロフェッショナルとして大成したいのなら、この五項目に当てはまらないように自制していかなければならないでしょう。特に大事なのは、①だと私は考えています。特にコンサルタントにありがちなこととして、「問題はどこか」と考える思考があげられます。もちろん問題を探して解決するのは重要なことですが、人にこの思考を適用するのはいかがなものかと私は考えています。欠点ばかり指摘されると人はモチベーションが下がり、さらに結果が出なくなる悪循環に陥ってしまいます。プラスの面に目を向けてくれるマネージャーは確かに求められているでしょうね。

ロジカルシンキングを超える真の思考法

ロジカルシンキングは、基本的に「分けて、深める」ものです。
非常に汎用性が高いしわかりやすいです。ので、議事録を取ったり話を整理したりするときには必須のツールです。「話が分かりづらいと言われる」という悩みを持っている人はぜひ学んでみてください。

しかし、ロジカルシンキングだけでは実務では使えません。
整理し、分析してもビジネスチャンスは生まれないのです。

最近「ロジカルシンキングを超える思考法」として評判なのが、「システムシンキング」です。物事を繋がり(系)として捉え、その関係からキャッシュポイントや人の心の動かし方を見抜きます。今回はシステムシンキングの三層構造をご紹介いたします。

システム・シンキング入門 (日経文庫)

システム・シンキング入門 (日経文庫)

1層目:出来事

出来事とは、日常起きている目の前の事象や私たちが会話で議論するような実際の減少のことです。

ロジカルシンキングはこの「出来事」に着目します。
その出来事をMECEに分け、ツリー化し、深堀し、、、というように分析をしていきます。
システムシンキングはまず出来事があることを認識し、それをもとに2層目に入っていきます。

2層目:パターン

出来事を分析するだけでは、発言や現象の背後にどんな構造が隠れているのかを掴むことはできません。「これらの現象には何らかのパターンが存在しているのではないか」と考えましょう。

出来事はそれ単体で存在しているわけではありません。お互い影響しあい、さらに新たな出来事を生み出していきます。何か解決したい問題があった場合、そのもののみに集中するのではなく、それを生み出すパターンに注目します。コンサルティングだろうが恋愛だろうがプログラミングだろうが、すべてにパターンが存在します。それを都度都度フレーム化していけば強いでしょう。


3層目:構造

構造とは、「構成要素間の相互関係のパターン」のことです。これはフィード爆的性質を持つシステム的構造のことを指しており、因果ループ図で表すことができます。

出来事が繋がってパターンになり、それがまた出来事に繋がってパターンを強化したり弱体化させたりする。それこそが構造(システム)です。
何か上手くいかないことがあったら、ネガティブなシステムが働いていることが多々あります。問題があったらシステムを視覚化し、ネガティブフィードバックをポジティブフィードバックに変化させれば、自然とプラスの方向に向かっていきます。

ターゲットとすべき三種類のクライアント

まだ会社化はしていませんが、最近自分で小規模なビジネスを立ち上げました。
コンサルタントとしての業務もあるので片手間感は否めませんが、非常に刺激になることが多いです。
その中で最も頭を悩ませるのは顧客の集め方。
いいものを提供できる自信はあっても、人を集めるのは難しい。
そのようなときに、指針となりうる本を友人から勧められました
参考になるところは多々あったのですが、今回は顧客についての記述を中心にご紹介します。「顧客を連れてくる、影響力のある顧客は誰か」という章です。


1、見込客から憧れている人

トレンドのリーダー、または業界リーダーを顧客にすると、その後の営業展開が非常にスムーズになる。とくに新規事業を開始する際には、それだけで立ち上げ期間を大幅に短縮するので、お金を払ってでも顧客になってもらった方が良い。(中略)人が憧れる職業についている有名人を顧客にすると、それだけで競争力となる。もちろんその効果があるため、大企業は何億円も支払って芸能人を使った広告をするのである。しかし普通規模の会社はそれだけの資金がない。どうすればいいか?
実は、いい方法がある。
隣の有名人を作るのである。重要なのはプロデュース力である。

これは面白い発想です。
有名人や実力者に使ってもらえば売り上げが上がるのは当然ですが、なかなかそのような人とのコネクションを作るのは難しい。だったら作ってしまえ!!ということですね。考えてみれば、さまざまな就職活動団体も「○○内定者続出!」などある種の有名人を使った広報をしています。AKBのような超有名人やグループに自社の製品を使ってもらうのは難しくても、そこそこ有名なお医者さんや弁護士さんを顧客にするのはあまり難しくありません。売るのは難しくても、タダであげて感想を貰えばいいだけです。それで集客はどんどん楽になります。


2、しゃべる職業にある人、しゃべる時間のある人

しゃべる職業についている人は、仕事をしている間にも、あなたの商品の営業をしてくれることになる。常に新しい情報を探しているし、発信力が違うので、あなたにとって素晴らしい顧客になる。例えば、コンサルタントのような職業である。インターネット・ブームの初期、電子商店で買い物をする顧客リストの中には、多くのインターネット・コンサルタントが含まれていた。コンサルタントの先生方はインターネットの最新動向について書くために、電子商店で商品を買い、さらにその店を新聞・雑誌等で宣伝することになった。このような顧客をもつと、次から次へと新規顧客が集まることになる。

これは少々古いコンサルタント像のような気がします。笑
独立したコンサルタントならいざ知らず、ファームに属するコンサルタントはそこまで人前でしゃべる機会はありませんからね。
とにかく、発信力のある人に使ってもらうのは非常に大事なことです。
しかし、それ以上に大事なことは自らの発信力を最大限に高めていくことです。
私も発信力を身につけ、いろいろらくーにこなしていきたいなと考えています。


3、データベースを持っている人

定期的に情報を発信していると、その情報の発信者は信頼が高まり、周囲に対する影響力が強まることが多い。マスコミではないので、発信できる人数は限られるが、すでにヴァーチャル・コミュニティ化しているところもあり、通常のメディアとは比較にならないほど反応が高い。

ブログの更新頻度が高い人やメルマガを発行する人は、規模の大小にかかわらず貴重です。顔を見たことはなくても、常に情報を発信していると知り合いのような気になり、その人からのススメならいってみよう!と思えるものです。そのような友人をたくさん作り、自らのモノ・サービスを宣伝してもらうのは確かにおすすめな方法です。
私も不定期ですが、積極的にブログを更新していこうと考えています。
私を知り合いのように思えるぐらいに。笑
ぜひツイッター等々でお話いたしましょう。

能率が10倍上がる勉強のコツ

社会人になっても勉強は続きます。
むしろ、社会人になってからのほうが勉強する機会は多いのではないでしょうか。

しかし、なかなか勉強する時間がない。。。
時間をあまりとれないならば、その分能率を上げるしかありません。

今回は【脳を活かす勉強法】の紹介をします。

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」

1、タイムプレッシャー勉強法

タイムプレッシャーというと、人から強制された時間のように感じてしまう人もいるかもしれません。しかし大切なことは、自分で勉強の工夫をしていくことなのです。誰よりも早く問題を解こうと頑張ると、脳に負荷がかかります。一番先に先生のところに持っていくことができれば、それが成功体験となります。その結果、脳のドーパミンの分泌が促され、次はさらに短い時間で問題を解くことができるようになるのです。脳にかける負荷を調節するのは簡単なことではありませんが、「タイムプレッシャー勉強法」なら制限時間を設けることで最適な負荷をかけることができます。

夏休みになると、「たくさん時間があるし、宿題なんかすぐ終わるだろう」と思いましたよね。
しかし、物事はそううまくはすすみません。なかなかやらず、ペンをとっても5分で飽きる。そうこうしているあいだに夏休みはあと三日です。そうなった瞬間に異常な集中力を発揮し、前日の夜になんとかお終わる。。。いまでも間違いなく繰り返されている風景でしょう。

「時間があるということは時間がないということだ」という言葉もあります。
人は、時間があると思ってしまうと集中力が続かず、いいものを作ることができません。
ある程度強制的にタイムリミットを決めることが大事です。私もこのブログは一記事30分で書いています。とにかく速く書くことで文章量を稼ぎ、ゆくゆくは本を書けるぐらいの文章力をつけたいなぁと考えています。

2、鶴の恩返し勉強法

「鶴の恩返し」では鶴が恩返しのために反物を折るのですが、「決して私が織っているところを見ないでください」と言います。
この鶴と同じように、人に見せられないくらい、なりふり構わず、思い切り集中して勉強するという勉強法が「鶴の恩返し勉強法」です。
周りと隔絶された環境の元、全身全霊をかけて勉強する。そのとき、まるで脳の中では煌々と白熱電球がともっているかのような感覚になるでしょう。この勉強法を行うときは、ありとあらゆる手を尽くしてください。目で文字を追いながら声を出して読み、記憶する。記憶したことを本当に覚えているのか、手で書いてみる。まさに全身を使って勉強するのです。このときの集中力は目の前の教科書、ノートなど以外は何も見えず、雑音も何も聞こえないくらい、他人の目を気にする余裕などなく、とにかく目の前の勉強にのみ集中していく。

3時間だらだら勉強するより、30分必死で勉強したほうがよっぽどいいアウトプットを出すことができます。どのような状態が集中できるのかある程度マニュアル化し、それを常に再現できるようにするといいでしょう。これは勉強だけではなく、仕事でも一緒です。だらだら残業して時間をなくしていくよりは、集中的に高いアウトプットを出したほうが気持ちいいでしょう。集中することは確かに疲れますが、それ以上に気持ちいいことです。ぜひ、目の前の仕事や勉強に必死になってみてください。

給料以外に稼ぐための三つの心がけ

私は、日本に「収入=会社からの給料」という固定観念が蔓延っていることが不思議でなりません。もちろん給料は安定的に毎月入るものですから大事なのはわかっていますが、空いた時間に自分で稼ぐ人が余りにも少ない。
会社からの給料で生活しつつ、休日や終業後に自分で稼ぐ方法を考えてもいいのではないでしょうか。
何かあって給料が入ってこなかった時のリスクヘッジにもなりますし、何よりも稼ぐ方法を考えることは非常に面白いです。

本日は、【サラリーマンのための「会社の外」で稼ぐ術】という本をご紹介します。

サラリーマンのための「会社の外」で稼ぐ術 複数収入獲得マニュアル (朝日新書)

サラリーマンのための「会社の外」で稼ぐ術 複数収入獲得マニュアル (朝日新書)

1、時間をうまく使え

「会社の外」で稼ぐには、どうしても会社以外の時間が必要になります。会社以外の時間を作り出すには、会社の仕事を効率よくやることが必要ですし、自分の持てる時間を出来る限り有効に使うようにしなくてはなりません。ここからは、どうすれば時間が作れるかについて考えていきます。
誰にでもいい顔をしていては自分の時間は作れません。
会社に入って数年したころ、システムエンジニアをしていて、火曜日から金曜日までは地方のお客様のところに行きっぱなしという生活をしていました。そんなときは毎日、仕事が終わると一緒に仕事をしている仲間と食事に行きます。すると、ホテルに帰ってくるのが早い日でも午後九時を過ぎてしまいます。それからシャワーを浴びて留学のための勉強を始めると、すぐに眠気がやってきて勉強がはかどりません。このためあるときから、仲間と一緒に食事にはいかないことにしました。一人だけ別行動をするのは気が引けました。しかし、そうしないと自分の時間を確保できませんでした。
日本の社会はチームワークを大事にします。それはそれでいい面もあるのですが、一人一人の成長にとってはマイナスになる面もあります。自分に不都合な状態が生じるのなら、ハッキリと線を引くことを宣言すべきだと思います。

学生と社会人では自由になる時間が10倍以上違います。
確かになかなか時間はない。しかし、時間がないと嘆く前に、時間を作る努力をしているでしょうか。
ただ会社と家を往復し、金曜日には飲んで土日は寝ている。。。そんな生活をしていては副収入は夢のまた夢です。気まずさはあるでしょうが、同僚の誘いを断って勉強したり事業を興すための行動をしなければいつまでたっても変わりません。「つまらないな、時間がないな」と思う人は、残業と飲みを一度ストップさせ、自分の時間を作ってみたらいかがでしょう。意外といいアイディアが出てきますよ。
アイディアが出てきたら後は信頼できる友人を一人か二人集めてとにかくトライ&エラーを繰り返しましょう。最初はミスばかりでも、何個か当たるものがでてきますよ。それが成功してお金を生み出すようになったときの快感はたまりません。

2、意思決定は迅速に

仕事を進める上では、ハッキリわかっていないことがいっぱいあります。すべてがはっきりするまで、判断を先延ばしにして何も決めない人もいます。そういう人はきっと失敗が少ないでしょう。しかし私にとって重要なことは、失敗しないことではなくて時間を無駄にしないことです。失敗したらもう一度やり直すしかありません。また、私の経験上では、判断を先延ばしにして失敗しないより、失敗してやり直した方が圧倒的に成功する確率が高まります。NPOなどの集まりのときは、集まっている人がその集まっている時間しか活動に時間を割けません。打ち合わせをしながら議事録を作りますし、ホームページの改定もその場で行います。時間がない中で仕事をする習慣を身につけてしまえば、それが当たり前になります。一方で会社ではそうでないことが多いので、訓練が必要になるのです。

これは頭の活性化のためにも非常によいと感じています。
どんなことでも意思決定を早くすること。そうすることで一瞬の頭の回転が早まり、仕事でもプライベートでもいい影響を及ぼします。プライベートであまり意思決定が速すぎるのもどうかと思いますが。。。
時間がないのは仕事が遅いからです。質を落とさずスピードをどこまであげられるかが勝負です。単純作業に飽きてきたのだったら、それをどこまで速く出来るか挑戦してみましょう。



3、常に考え続けよ

考え続ける、没頭する、のめり込む、細部にこだわる、ということは自分の仕事の質を高めるためには欠かせないことです。どこまでやっても100点になることがないのが仕事だからです。ですから、こだわれば終わりがなくなります。終わりがないことは、「お先に失礼!」することと相容れません。しかし、質を高めるためには終わりなく仕事をすることも必要です。私は、若いうちは仕事に没頭することが是が非でも必要だと思います。そうやって自分を追い込んでいくことで能力が高まり、「会社の外」で自分の事業を進める実力が付いてくるのです。

とにかく没頭すること。その仕事をやっているときには他のことを考えてはいけません。今やっていることが楽しいか、または将来の役に立つか考えることは重要ですが、考えるときと動くときはしっかりわけましょう。「こんなことやっても意味あるのかな。。。」と思いながら仕事をしても楽しくないですし、クオリティが上がるはずもありません。周りが見えなくなるまで集中して質を上げ、誰にも負けないスピードでこなすこと。それを意識していけば自らの事業にもプラスの効果が出てくるでしょう。

頑張らずにチームで成果を出す三つの方法

名誉MBA、元BCG、元A・T・カーニーという華々しい経歴を持つ山本真司さんの最新書籍「35歳からの『脱・頑張り』仕事術」を読了しました。

35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書)

35歳からの「脱・頑張(がんば)り」仕事術 (PHPビジネス新書)

山本さんの著書は実際の経験に基づいているので説得力があり、さらに実践的なのでとてもおススメです。若手には、「20代 仕事筋の鍛え方」がとてもおススメです。
今回の著書はマネージャー層を対象にしていますが、私のような若手が読んでも非常に勉強になります。
今回はその中でも、特に感銘を受けたところを紹介していきます。

1、「壁塗り」の原則

壁を塗るときは、下地塗りをして、第一次上塗りに入り、仕上げ塗りを行う。ポイントは二つある。各工程では薄くてもよいので壁全体を対象にしている。一部分をじっくり完成させていくやり方ではない。全体を下地塗りし、上塗りへと進んでいく。成果物作りも同じだ。最後の完成版を作るにあたって、いきなり全体を網羅した完成度の高い作品を作るのは無理である。進め方の選択肢は二つ。一部分ずつ完成させる方法。もう一つは壁塗りのように、まずはあらく全体を、次にそこそこ深く全体を、そして最後に完成塗りをしていく、というもの。私のやり方は、もちろん二つ目の方法だ。
それだと各ミーティングで作られた成果物は、その後で追加作業を幾重にも施さないと顧客用には使えないことになる。最後に使わない成果物をたくさん作ったところで時間の無駄、紙資源の無駄だ。
だから各ミーティングでは、最初から感生物のように美しく、綺麗で見栄えの良い作品は要求しない。手書きでもOK、資料がなくてもOK。手ぶらでも良い。対外的に使う綺麗な成果物は、下地塗りが出来たところで丁寧に組み立てれば良い。

最初から100%のものを作ろうとすると、様々なデメリットがあることは私自身も痛感するところです。それよりも、30%程度のクオリティでいいからまず一通り完成させ、それのフィードバックを貰ってまた短時間で仕上げ、またフィードバックを貰う・・・というサイクルを繰り返すほうが結局は高いクオリティのものができます。さらに、時間も圧倒的に短くなります。
この壁塗りの原則はほぼすべての仕事に共通するものです。(作曲家や画家などのアーティストはまた別だと思いますが。。。)これが癖になっている人は非常に仕事ができると感じます。

自分が上司の立場になったら、壁の上塗りを徹底させたいですね。

2、相対的強みで勝負

部下を育成するときの私の大原則は、その部下の「相対的強みを発見し、まずその強みを伸ばす手伝いをする」といううことである。だから、その部下の得意スキルが、必ずしもそのまま世間で一流のものとして通用するレベルでなくても気にしない。その部下が、自信と興味を持って取り組んでくれる分野であれば、それで良い。
まずは、自分が何らかの分野で、全体の仕事に貢献しているという意識を持ち、自分でもできるという成功体験を感じて欲しい。そして、この体験を通じて、自分の仕事能力に自信を持ち、仕事に興味を持ち、自分の仕事へのオーナーシップを高め、自分の足りないスキルを学ぼうという意欲を高めてほしいのだ。

何でもいいからまずは一つ自信を持っているものについて取り組む。これをさせてくれる上司は非常にやりやすいです。不向きなものをたくさん押し付けられ、結局出来ずに怒られ、精神的に壊れていってしまった若手を私はたくさん見ています。不幸なことです。
まずは自分が好きもしくは得意なものに取り組み、自信と周りからの信頼を得ていくといいでしょう。
そうすると、他の業務に対してもポジティブな気持ちで向かうことができます。
上司の立場に立ったら、押し付けるのではなく、自分の意欲で学ぶ部下を育てる意識を常に持っていたいです。

3、「自分史」語らせ作戦

私は、「この部下とは仲良くなりたい」と決めたら、タイミングを見て、その部下の自分史について、根掘り葉掘り聞くようにしている。出身地、家庭環境、小学校から始まる学歴、どういう経緯で今の仕事に就いているか、仕事の課題、人生の目標・課題、個人としての趣味・関心。つまり、自分史を語ってもらう。
なぜ、自分史を聞きたいのか。ただ、ボーっと、自分史を聞いているわけではない。こちらも一生懸命、頭を使う。こちらの言葉と思考回路で部下を理解できるように考える。
その行為自体が、部下に関心を寄せていることを表すことになると思う。人間だれしも、自分に関心を向けてくれる人に、関心を持つものではないだろうか?私自身も、そういう経験が多い。私に関心を向けてくれる人に、良い感情を持つ。だからこれは、部下愛への前奏曲となる行動だと思う。

たびたび無意識にやっていたことではありますが、非常に感銘を受けました。
やはり、自分に興味を持ってくれる人間にはなついてしまうものです。「オレの若いころはなぁ!!」という話しかしない上司と、「きみはどのような人生を送ってきたのか、じっくり聞かせてくれないか」という上司を比べたら差は歴然でしょう。タイミングさえ間違わなければ、とても強力なツールとなり得ます。このスキルはビジネスパーソンだけでなく、学生にも学んで欲しいところです。

部下を成長させるための5ステップ

社会人経験を少し積むと、後輩や部下ができてきます。
学生のみなさんも、後輩を育成しなければならない場面は多いはずです。
「人を育てる」ということは予想以上に難しい。ですから、ぼったくりの人材育成会社がはびこるわけです。笑
私個人としては、人の育成はその企業の中堅社員がやるべきだと考えています。人材育成会社は人材育成のノウハウは持っていても、その企業の業務に結び付けて教えることはできないからです。
では、部下を育てるにはどのようなステップを踏むべきなのでしょうか。

日経アソシエ「相手が本当に困っている時を狙う」より

1、信頼構築

・これまでの人生でどんなことに頑張ってきましたか?
・どのような人生の転機がありましたか?

相手の武勇伝や人生を形成したものなど、“パーソナルヒストリー”にじっくり耳を傾ける。信頼関係が生まれ、こちらの質問を相手が受け入れやすくなる。

人を育てる際には、まずその人との信頼関係を作ることが第一です。みなさんも、嫌いな上司から何を言われてもただ受け流すが、尊敬している先輩の言葉は一言一句聞き漏らさないでしょう。部下も同じです。いきなり頭ごなしに「おまえはここがだめだ、こうしろ」と言われても、その通りにするはずがありません。まずは相手の今までの経験を肯定的な態度で聞くことが大事です。

2、目標の明確化

・あなたが達成したい目標は何ですか?
・三年後にどうなっていたいですか?
・何のためにその目標を達成したいのですか?
・数値目標で表すとどのぐらいですか?
以上のような質問を通し、相手の目標を明確化していく。


何はともあれ目標です。日々の仕事で忙しいと目の前のことをこなすだけになってしまい、なかなか将来の目標を描くことが出来なくなってしまいます。目の前のことに全力集中することは何よりも大事なことです(参考:)。しかし、それに加えて定期的に目標をアップデートしていかないと、今何のために頑張っているのかわからなくなってしまいます。

3、現状の明確化

・今、あなたはどこにいますか?
・目標が達成された状態を100点とすると、現在は何点ですか?
・目標達成に向けて、これまで取り組んだこと、現在取り組んでいることは何ですか?
以上のような質問を通し、現状を明確化する。

目標設定をし終わったら現状をキチンと認識することが大事です。現状認識をおろそかにすると、以降のステップに支障が出ます。

4、ギャップの原因分析

・目標と現状の間のギャップをどう捉えていますか?
・ギャップが生じている原因は何だと思いますか?
・目標を達成するために、あなたが変えなければいけない習慣は何ですか?

ギャップに対して「楽勝です」と答える人には、「その理由はどこにあるのか?」を問い、「全然ダメです」と答える人には、「なぜそう思うのか?」を問う。そして、「現在のパフォーマンスはこれだけだが、本当に楽勝なのか?」、あるいは「本当に不可能なのか?」と聞く。


目標設定&現状認識の真の目的はこのギャップ分析にあります。目標−現状=ギャップです。ギャップを埋めることさえできれば、簡単に目標を達成することができます。若手が苦しむのは、目標設定と現状のどちらかもしくは両方をする習慣がついていないからで、これさえできれば一瞬で伸びる人は非常に多いです。


5、行動計画の作成

・それで何をしますか?
・あなたが取り組まなければいけない課題は何ですか?
・今日から始められる行動は何ですか?

「何をやるの?」と大きな質問をしてから、「もう少し具体的に言うと?」「今日から始められることは?」と聞いて細分化していく。


結局大事なのは行動です。ギャップを把握できても、それを埋めるための行動をしなければ何も変わりません。行動するときのコツは、できるだけ細分化することです。あまりに遠大なものだと行動する気が起きませんが、細かくブレークダウンしていけばやる気も出ます。


この記事はあなたが上司だったとしたら、という仮定のものですが、あなたが一番下の立場でも十分に有用です。自分にこの質問をし続けていくことで、成長スピードが加速度的にアップしていくことでしょう。