IC乗車券で不正
丁度、トーマツの丸山さんが、「権限者の不正には発見的統制が「超」重要」というエントリーを立てられています。不正のトライアングルとは、
- 不正を行うための「動機・プレッシャー」があること
- 不正を行うことができる「機会」が存在すること
- 不正を行うことが本人にとって「正当化」できること
の3つとされています。今回の場合でいうと、
- 給料が安い
- 機械を操作できる
- 皆?やっている(らしい)
ということでしょうか。
JR東海の社員7人がIC乗車券を不正に使って他社路線で無賃乗車を繰り返していた問題で、JR東海は9日、全社的な内部調査の結果、新たに78人の不正利用が判明したと発表した。計85人が支払いを免れた額は計252,930円。同社は全額を弁償させた上、通勤手当を支給された他社線で無賃乗車した4人を懲戒解雇し、不正の頻度によって1人を諭旨解雇、77人を出勤停止とするなど85人全員を処分した。
JR東海は、さらに厚地純夫営業本部長を減給1カ月とするなど、管理責任者を含めると処分対象は計119人となり、1987年の民営化後では最大規模となった。JR東海が駅の改札業務を委託する子会社の東海交通事業と新幹線メンテナンス東海でも計6人の不正が見つかった。
国土交通省は同日、職業倫理を踏みにじる悪質行為として、JR東海幹部に口頭注意し再発防止を求めた。
JR東海は今年4月の近鉄路線での不正乗車発覚を受け、他社との共同駅の勤務経験者ら3,000人を対象に聞き取り調査し、駅の入場記録を点検した。その結果、新幹線鉄道事業本部、東海鉄道事業本部、静岡、関西両支社の運転士、車掌、社員の不正を確認した。
不正をしたJR東海社員85人のうち、25歳以下の若手が70人を占めた。不正をした社員らは「小遣いや生活費の足しにした」と話している。一方、無賃乗車の被害はJR東日本やJR西日本のほか、東急、小田急、京浜急行、都営地下鉄、大阪市営地下鉄など10社に及んだ。
不正をした社員らは、IC乗車券を使ってJRや私鉄の改札を通り、JR東海に乗り入れている他社の列車に乗車。社員だけに配布される「職務乗車証」を使いJR東海の駅で下車し、同僚に頼むか自分で駅の端末を悪用し、ICの乗車記録を消していた。
同日の記者会見で、柘植康英副社長は「鉄道会社の社員としてあるまじき不正で情けない限り。再発防止に努めたい」と謝罪した。
(2010年6月10日=CHUNICHI Web)