八雲商事というのは言っちまえば幻想に現実世界をバリバリ持ち込むところである。
逆もまた然りであって、顕界にもそういう連中は色々いるわけだ。
ここはまだましだが、ほかの国じゃ幻想世界を墓荒らし用のダンジョンとしか
思っていないやつがいて、そいつらのせいで人間たちの評判は常に
最低ラインだ。
彼らにしてみればお金稼ぎというものだろうが、人攫いまでやってくると
割と話は別。
んで、攫ったやつを救出したと思ったらそいつが根っこまで顕界に染まっていて
幻想世界になんかいきたくねえっていうから
まあそりゃうまくいきませんわと思う。
最近の現れる妖怪というのは、そういうところを漂流するタイプと
いよいよそういうのに嫌気がさして幻想世界専門になったやつで
かなり極端に振れている。
そうは言ってられない状態ではあるのだが。
まあ山姥すらあれだけ外見を繕うようになったってだけで
たぶん毒されていると思うんだけどな。
大変なことだ。