お前らはオタクのくせに、好きなくせに何故知ろうとしないのか

 何事にも系譜ってのがあって、いきなりぱっと生まれたりはしない。親(の遺伝子)がいなけりゃ子が生まれないように、作品でも元となるものがどこかにある。
 例えば『ニューロマンサー』 → 『攻殻機動隊』 → 『マトリックス』なんかは有名な流れだが(『ニューロマンサー』から直接『マトリックス』に繋がってもいるんだけど)、だいたいオタクの間で話されるときは後ろの2作品についてだけで、「日本アニメって今はすごい影響力があるんだよね」というにやけた日本人オタクによるキモチワルイ自画自賛で終わってしまうことが多い。
 疑問を通り越して腹立たしいのは、なんでお前らもっと遡らないんだよってことでさ。みんな知識としては知ってるんだよな、自分の知ってるあの作品にどんな元ネタがあるかって言うのは。他のファンの分析や、作者のインタビューとかで知ってる。でも知ってるとこで止まってる奴が多いんじゃないか。すんごい勝手なイメージだけど、でもなんかそんなように思うんだよ、ネットでオタクコミュニティ見てると。いやいいよ、止まっていいけど、でもそこで止まって満足するレベルで、オタクやファンを自称するのはさぁ。情けないと言うか、舐めたもんだと言うか。
 大して興味のない作品について遡ろうとしないのは当然。でも、好きな作品なら遡りたいと思うもんじゃないのか。抑え難い欲求として湧いてくるものじゃないのか。こんな感じで、リストアップまでして山盛り示して、さらに「じゃあ読んでやろうじゃねぇか」と思うもんじゃないのか。これこそがオタクの本道、オタクの日常じゃあないのか。この99冊リストに関しては実際そんな人もいるようだけど、やっぱり多くは聞かない。だいたい「これとこれくらいなら読んだことあるー」で終わり。こっちのアンケートを見ても、得票数が1000を越えている上位作品は結局もとから人気のある作家や作品ばかり(今ものすごい勢いでと学会を無視したけど、是非このまま気がつかずに読み進んでいただきたい)。大体、一人平均9冊て。ハルヒなんて一切興味のない自分でも内7冊読んでんだから、ファンならせめて平均20は叩き出すべき。ファンじゃない人も投票してこの数字だなんていう言い訳はいいから、その数字になるよう読んで読んで読みまくるべき。「俺が平均を押し上げてやるぜ」と意気込むべき。「最大97冊ってことはまだ100冊到達者はいないのか、じゃあ俺がその第一号に」と燃えるべき。そして達成した暁には「俺はお前らなんかよりずっとハルヒを知ってるぜ」と恥ずかしげもなく得意になってみせ鬱陶しがられるべき。それがオタク。なんなんだよ。今年はアニメ化もして大層な盛り上がりを見せてたくせに、その数割のファンの間ででも盛り上がらないのか。所詮は一時の流行に踊らされる程度の奴しか集まらねぇか。YouTubeWeb2.0だと偉そうなマーケティング論を語れば、もうそれで頭良くなったような気がして満足か。それともアニメから入った奴らは、京アニとかいう神輿を担いでワッショイワッショイやってれば、原作に遡ろうという気もしないのか。ぁあ?
 お前らオタクを名乗るな。ファンを名乗るな。じゃあ何かって? 知るか。踊るのが好きらしいから「ダンサー」とかでいいんじゃないの。オタクよりずっとかっこいいんじゃないかな。お似合いだよ。ネーミングそれ自体が投げやりなところも。