月日は流れて
まじめな奴がグレると手に負えない
中心登場人物のひとり、北村。彼は生徒会の副会長にしてソフトボール部部長。時は流れて、とうとう生徒会選挙の時期に。しかし彼の様子がおかしい。
なんと優等生の彼はグレてしまったのである。
髪の毛を染めて、生徒指導と一悶着を起こすほどです。
周囲の人間はどうするのか。それこそが本書のテーマです。
描写
この作品にも小ネタが多いです。例えばこれ。
「ドン☆ 俺は九十円を生贄に、九枚の写真を今のところ召還するぜ! さらにリバースカードオープン!速攻魔法(後略)
明らかに遊戯王のパロディです。このような描写の他にも、iPodがどうだとか汎用人型決戦兵器などの記述がみられます。
ただ、重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、気になった記述があります。
「なあ……アメリカからも、オリオン座って見えるんだろうか……」
優等生の彼が、こういう疑問を抱くのは不思議です。
確かに当該シーンで必要な台詞ではありますが、設定と多少矛盾するのは致し方のないことなのでしょうか。
いつもの面々
この作品の売りでもある、各登場人物の軽妙な掛け合いは未だ健在です。寧ろそれに磨きがかかっていますので積んだままの方はすぐにPCをシャットダウンして読んでください。