フローチャートの悪夢,ふたたび
- 「若手プログラマー保存版!フローチャート徹底解説と作成カンニングペーパー」 http://it-koala.com/flowchart-2241
えっ?
ナ,ナンダッテーーーーー!
こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーー!
なぜかホットエントリ入りしてた.日付を確認すると「2016.11.08」と書いてある.そんなバカな.1976年とかの間違いじゃね?
古い本だから「人月の神話は必読!」とまでは言わんけど,孫引きでもいいから「人月の神話」に書かれてる常識も知らんというのはどうなんだ.*1
- 作者: Jr FrederickP.Brooks,Jr.,Frederick P. Brooks,滝沢徹,牧野祐子,富澤昇
- 出版社/メーカー: 丸善出版
- 発売日: 2014/04/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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*2The Mythical Man-Month: Essays on Software Engineering
- 作者: Frederick Phillips Brooks
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley
- 発売日: 1975/01
- メディア: ペーパーバック
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http://d.hatena.ne.jp/JavaBlack/20080719/p1フローチャートの呪い
フローチャートは、プログラム文書作成の内でまったく過大評価されてきたものの一つだ.多くのプログラマはフローチャートなど全然必要としないのだ.何しろフローチャートが一ページ以上必要になるプログラムはほとんど無いのだから.
フローチャートはプログラムの判別構造を示すもので,構造の一面を示しているに過ぎない.(中略)
しかし,詳細で逐一記述したフローチャートは時代遅れの厄介者であり,アルゴリズムの考え方を初心者に手ほどきする場合に適しているだけである.(中略)
実際の所,フローチャートを描くことは,騒がれているほどには,実践されていない.プログラムを書き始める前に詳細なフローチャートを決まって書く熟練プログラマなどお目にかかったことがない.組織で決められた標準化のためにフローチャートが要求される場合,ほぼ間違いなく事後に作成されている.多くの開発現場では,完成したコードからこの「不可欠な」デザインツールを生成する機械語プログラムを誇らしげに使ってさえいる.
遅くとも「人月の神話」は1975年には出ていたらしいから,その頃にはフローチャートが役に立たないというのは,既に広く知られた事実だったと言って良い.あれからいったい何十年たったと思ってるんだよ.これが生きてる化石という奴か.staticおじさんの同類か.なんとおぞましい.
*1:「フローチャートが糞」っていうのはもはや常識だと思うが,若い人で専門教育を受けてない人だと,運が良ければフローチャートなんて見たことも聞いたこともない人もいるかもしれない.ある意味でそれは幸せなことだ.
だけど,そんなことも知らんままで,こういう変な人に騙されると,あっさり洗脳されちゃう危険もある.やっぱ日本のIT業界で(文字通りの意味で)自分の身を守るためには,斜め読みでも良いから名著には目を通しておくべきだよ.でないと,デスマーチに巻き込まれて最悪では命を落とす.
*2:旧版 人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional Computing Series) 人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない (Professional computing series (別巻3))