『スカイ・クロラ』など

 一昨日の夜のことだが---。
 某所のショッピングモールへ。ここには僕の住む街にあるシネコンと同じ系列のシネコンが入っているのだが、そこでは腹立たしいことに『スカイ・クロラ』をやっていないので、ここまで足を運び、観に来た次第。交通費がかかってしまったが、ナイト料金で安いし、マイレージもたまるので、よしとしよう。
 ということで、いわずと知れた押井守の新作『スカイ・クロラ』を観る。期待通り、そして予想通り、文句なしの良作だった。設定の面白さ、ストーリーの豊かさ、映像の質の高さもさることながら、民営化された戦争、成熟しない若者など、現代的なテーマもほどよく織り込まれていた(この映画は森博嗣の原作をどこまで踏襲しているのだろうか。未読なので、そのうち読んでみよう)。イヌ、オルゴールといった押井作品ではお馴染みのエレメントも登場。登場人物の名前も「草薙」とか「ジンロウ(≒人狼?)」とかいうどこかで聞いたような響きが……。
 戦闘機乗りのアニメ映画というと、どうしても某巨匠の代表作と比較してしまう。押井監督は、記者会見などでライバル意識を見せているようだが(笑)、それはともかく、『スカイ・クロラ』の空中戦シーンでは、主人公が「ストールターン」という技を見せるのだが、これって、某巨匠の代表作の主人公がやる「捻り込み」へのカウンター・パンチかな。
 あえて物足りなかったことを挙げるならば、声の出演がほとんどいわゆる俳優であったせいか、台詞に深みを感じられなかった。アニメ専門の声優のほうがよかったのでは。
 だが、全体としては、秀逸。
 終了後、深夜のショッピングモールの様子----すべての店は閉まっており、音楽とエスカレーターの音だけが聴こえる----を垣間見て、なぜか、「サバービア」という英単語が頭に浮かんきた。

 昨日は午後、ある所用でH氏の研究室へ。いろいろとディスカッションし、刺激になる。夜には、出版業界の会合に出席。
 本日はさきほどプールに行ってきて、すぐに帰室。夕方には都内に移動し、ネットラジオの収録に参加する予定。08.8.28

スカイ・クロラ (中公文庫)

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