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同人誌レビューブログ 群咲 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

同人誌が好きだから!

2999-01-01

2016-04-01

KAZUHA2016-04-01

【同人誌レビュー】まきちゃんがにこちゃんを健康にする話

◯タイトル  :まきちゃんがにこちゃんを健康にする話

◯サークル  :大金ファーム

◯作者名   :大金

◯発行年月日 :2016年3月13日

◯サイズ・P数 :B5・24P

◯年齢制限  :無し

◯ジャンル  :ラブライブ!・特殊性癖



◆自由、その代償

 わたしは、自由を愛する。ありとあらゆる自由を愛する。ありとあらゆる自由を脅かすものを憎む。

 それは、自分自身が自由でありたいがために他ならない。

 自分自身が自由でありたければ、他の何者の、どのような自由も妨げてはならない。

 妨げてしまえばその瞬間、わたしはいかなる自由をも失ってしまう。

 故に、わたしは他者のありとあらゆる自由を肯定する。

 

 また、自由とは、わたしがこよなく愛する「創作」を産み出す土壌となる。

 全てはそこから産まれ出る創作を愛するがため、自由を愛する。

 自由とは、そういうものだ。



 そう、思っていた。

 この本に出会うまでは。


 なぜ、このようなモノが産まれてしまったのだろう。

 これが自由ということなのだろうか。


 自由には、代償がある。これはいくらなんでもあんまりだ。

 そのことを、まざまざと思い知らされた。

 無邪気に自由を愛していたわたしは、もう死んだのだ。


◆大きなジャンルという豊かな海に潜む、闇

 翻って、この本『まきちゃんがにこちゃんを健康にする話』である。

 このラブライブ!というジャンルに限らないが、おおよそ大きなジャンルには「闇」がつきものである。

 ジャンルの肥大化は、いわば大きな海となることである。

 大きく広がる海は、そこに豊かな生命を宿す反面、その暗い底に「闇」を呼び込んでしまうのだろう。

 

 あるいは、「闇」自身が海を選び、その暗い暗い底を依代としてこの世に具現した、と見なすこともできるだろう。

 他にも該当する巨大な海は複数あるが、今回「闇」はラブライブ!という海を依代に選んでしまった。

 選んでしまったのだ……。


 折しも、この文章を書いているのは4/1エイプリル・フール

 この、わたしの目の前にあるモノが、嘘であって欲しい。そう願わずにはいられない。

 あるいは、今日そこかしこに蔓延している嘘に紛れて、虚偽の彼方に消え去ってくれないか。

 そう考えていたのは事実である。

 

 しかし、これは現実。現実なのだ。

 現実にこの「闇」は存在してしまっている。

 ここでまた、上述のような、何故このようなモノが産まれてしまったのだろう、という疑問が立ち上がる。


 この「闇」が現界する依代に選んだのが、「ラブライブ!」、わけても西木野真姫・矢澤にこの両名である。

 深い深いこの「闇」は、その親和性の高さからこの両名を選んだ、ということだ。


 これは、我々凡人の視点で考えれば(いや凡人が「闇」を理解することなど到底不可能であるのだから考えても無駄なのだが)、涜神、そう、女神への冒涜、これが1番近い理解であろう。

 しかし、目の前にある現実は「闇」の具現化なのである。涜神などといった凡人の概念などとうに超越しているのであろう。

 いつだって、「闇」は我々の理解の範疇の外にある。


 おお神よ! 愛しき9人の女神達よ! 貴女方は、「闇」に見初められてしまった!

 しかし、それでもなお輝きを失わないでいる女神たちの、なんと可憐であることか!!

 ここに描かれている女神たちは確かにかわいく、美しい。

 それがこの「闇」の具現化の中で唯一の救いである。


 だが、それでも「闇」は、海底に沈む澱のように、あまりにも深く昏い。

 わたしは、この「闇」を前にして、ただただ祈ることしか出来ない。


 人よ、もしも勇気ある者がいるなら、いずれかの機会に、この「闇」に立ち向かってみてほしい。

 是非この「闇」の深さ、その昏さが如何程のものか、その目で確かめてみてほしい。


 なぜ、なぜこのようなモノが生れ出でてしまったのか……

2015-10-24

KAZUHA2015-10-24

【同人誌レビュー】テンタイ→カンソク「混沌のグルメ乱」

◯タイトル  :混沌のグルメ乱

◯サークル  :テンタイ→カンソク

◯作者名   :え★・金゛

◯発行年月日 :2015年8月16日

◯サイズ・P数 :A5・52P

◯年齢制限  :なし

◯ジャンル  :孤独のグルメ、艦これ、実は私は、Dr.スランプ、ストリートファイターII

■初めのあいさつ&トーク

 はいこんばんは。同人誌レビューのお時間ですよ。

 このブログもだいぶ放置していましたが……実は旅に出ていました。レビューとはなんぞや。同人誌をレビューすることの意味は……と、自問自答の旅です。嘘です。おうちでアニメ見てました。

 まあでも、色々あって心が折れていたのはほんと。書けないもんは書けん。

 ◆閑話休題

 そんなことはさておき。そろそろね。復活しとかないとね。ぼくが何者なのかわからない人もいるんじゃないかなーって。このままじゃね、大手を振って同人誌のレビューをしています! とか言えないからね。

 ほんで、当ブログではいつものいつもの、テンタイさんの混沌のグルメで同人誌レビューの復活ですよ。

 いま、孤独のグルメドラマのSeason5もやってるしね。これ書く前に台湾回見たからね。丁度良いし。ていうかさっき「はよレビュー書け(意訳)」て脅されたしね。

 あと、毎度のようにレビュー書いてるから書きやすくて。普通のレビューなら「ヘンなこと書いてないかなー。 的はずれな解釈になってないかなー」ておっかなびっくり書いていて。そこは個人的な解釈なんで、どうしても読み違いとかは出てくるわけなんですけども。その分、テンタイ様のご本ならね。慣れてるからね! ヘンなこと書いても「ごめんなさい」で済むし。リハビリには持ってこいなんすよ!


 ハイ言い訳はここまで! それでは、レビュー本文に移ります。



■レビュー

 ◆混沌のグルメシリーズのおさらい

 という訳で今回の同人誌レビューブログ群咲は、テンタイ→カンソク様のC88発行「混沌のグルメ乱」略して「混乱」です。

 念の為におさらいしておくとこの「混沌のグルメ」というのは、孤独のグルメの主人公・井之頭五郎が他作品の世界にお邪魔したり、他作品のキャラと同じ店に来たりして、でもいつもの感じで淡々と孤独にメシを食うクロスオーバーシリーズです。これまでオフセット版が6作出ているので、今回のご本が7冊目ということになります。

 で、今回ゴローちゃんがお邪魔してメシを食う作品世界は4つ。


●広島県呉市鎮守府の抹茶カレー(艦これ-艦隊これくしょん-)

●神奈川県横浜市西区久保町の三元豚の厚切りカツカレー(実は私は)

●ゲンゴロウ島ペンギン村カモノハシのナポリタンとピラフ(Dr.スランプ)

●スペイン闇闘技場のカメノテの塩ゆで他(ストリートファイターII)


 ◆あたまおかしい

 あたまおかしいよこのラインナップ。

 書いてて、何度も「なんだこれ? おれ、なに書いてんだ??」と首を傾げるラインナップ。いやまだ、艦これとかのクロスオーバーはわかる気もしないでもない……わけねえな! なんでこの期に及んで艦これとかぶっ込んでんの正気なの???

 その他のラインナップも、並べて書くとあたまおかしさが際立ちますね。じつわたにアラレちゃんやスト?とか。何を食べたらこんな発想が出てくるのか。ハーブとかかな。

 ◆じつわたがカレーである理由

 ちょうどアニメ放映と合致したじつわたのネタは、毎年横浜で開催されている「ガチ!」という企画のうちの一つ、2014年開催の「ガチカレー」(ちなみに今年はガチ麺)からのネタでもあります。この「ガチ!」企画は週刊少年チャンピオンとのコラボも行われているので、じつわたを絡めてきた訳ですね。作中で行っているお店は、もちろんガチカレー企画に参加していた実在のお店です。

 ちなみに、じつわた原作・アニメ共にこのお店が出てきている訳でもなく、舞台が横浜、という訳でもありません。原作はおそらく特にモデルになった舞台はないし、アニメは練馬らしい。としまえんっぽい遊園地に行ったし。

 ていうか、この「ガチ!」企画ってどれだけ認知されてるんでしょう? 横浜では有名なイベントなの? チャンピオン紳士ならみんな知ってるレベル? 

 この混沌のグルメシリーズは、こんな搦手もふっつーにぶっ込んでくるので、ついていくのも大変です。ぶっちぎりです。

 ◆大変だけど、ゴローちゃんはいつも通り

 いやまあ、このサークル様のぶっちぎりっぷりは今に始まったことじゃないんでね? いっつも驚かされる訳ですが。

 じつわた以外も、ここに来て艦これとか、Dr.スランプにスト?ですからね? どれもこれもメシのイメージなんてないよ!!

 でもそこに井之頭五郎を絡めていくのが、この混沌のグルメシリーズ。

 そして、そんな異常状態でも、淡々といつものように独りメシを食って、いつものモノローグを独りごちるゴローちゃん。

 全くもっていつも通りです。艦娘と絡んでも、悪魔がいても、リュウとバルログが戦っていても、いつも通りメシを食っています。

 この、異常状態でのゴローちゃんの淡々とした佇まいとのギャップこそが、このクロスオーバーシリーズの真骨頂。

 ◆作品への理解

 もちろん、そのギャップを盛り上げクロスオーバーを成立させる、クロスオーバー先の作品の情景やキャラ描写だって、手抜かりはありません。ここをおざなりにしてしまうと、途端にクロスオーバーの面白さが失われていまいますからね。

 この点では、今回の中では特にDr.スランプの世界観がお見事。鳥山キャラとゴローちゃんが並び立つ、という絵面の面白さ。これを成り立たせるためには鳥山絵の再現度が重要になってきますが、そこもバッチリ。

 ていうか、今見ると当時の鳥山キャラってかわいいよね!

 これは毎度毎度書いている気もしますが、これはもう、クロスオーバーする原作への理解が深くないとできません。

 クロスオーバー先に選ぶ作品ラインナップはあたまおかしいけれど、だからと言ってその描き方は全然あたまおかしくありません。再現度に非常にクレバーさを感じますね。

 まあ、全体としてはあたまおかしいですけどね。

 ◆料理描写の巧みさ

 そして、この作品は孤独のグルメと他作品とのクロスオーバーシリーズですからね。なんといっても料理の描写が重要になります。

 これも毎度毎度ながら、ほんとうに美味そうに描かれています。カツカレーとか、見てるだけでよだれが出てきますね。

 ここにも、ただただあたまおかしいだけではないクレバーさが感じられます。

 その上で、ギャグも忘れていない抜かり無さ。艦これのボーキサイトに添えられたコメントは、艦これパートラスト頁と相まって非常に秀逸です。


 ◆まとめ

 ここまで、あたまおかしいあたまおかしいと行ってきましたが、この本に込められたクレイジーさは、本当に濃密です。読んでてお腹いっぱいになるくらい。

 そこに、ただクレイジーなだけではないクレバーさも加わり、重層的なクォリティを作品にもたらしています。伊達に7冊もシリーズが出ていませんね。

 もし、これまでこのシリーズに触れていないという方がいらっしゃいましたら、ドラマのSeason5も放映中のいま、この機に触れてみてはいかがでしょうか。クォリティは折り紙つきですよ。