培養室の耐震化を考える(2)

培養室の器械で、一番大事なものは、インキュベーター(いわゆるふ卵器)と呼ばれる器械である。
この中で卵子精子が受精し、胚となって発育していく。
患者様の卵が保管されているので、地震により倒れてしまうと卵が死んでしまうかもしれない。



培養室の中には、これ以外にももちろん大切で(かなり高価な)器械がたくさんあるのだが、
お金と時間をかければ回復することができる。
しかし、患者様の卵はかけがえのないもので、お金にはかえられないものである。



インキュベーター以外にも凍結した胚や精子を保管している凍結タンクもあるが、
これは転倒しにくい構造で、転倒したとしてもふたが開いたりしなければ大丈夫である。



最近のマンションなどの耐震化を調べてみると、
耐震構造、免震構造や制震構造という3つの構造に分かれている。
それぞれの違いについてはAllAboutのホームページの解説が分かりやすい。
2/3 地震がきても怖くない免震・制震マンション 超高層は大地震のとき大丈夫? [タワーマンション] All About



耐震化というと、まずは頑丈にくくりつけてなるべく動かないようにする(耐震構造)ということを考えるが、
この3つの中では免震構造が一番建物へのダメージが少ないということだ。



日本の会社の技術力はすばらしい。
マンションの免震装置をそのまま小さくしたようなものがある。
アイディールブレーン社のミューソレーター。
http://www.ibrain.jp/isolator/



次回は実際に恵愛病院生殖医療センターでの施工例をお見せします。