KJ-monasouken’s diary

昔「モナー総研」と言うスレ紹介ブログやってた人のブログ。いまはTwitterの活動がメイン。

ばななアントワネット


不愉快になりたくない人は読まないでください。

私の感じた不愉快さを共有してあげてもよい、という優しい方だけお読みください。



活字中毒R:よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」
http://www.enpitu.ne.jp/usr6/bin/day?id=60769&pg=20090808

この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんビールやおつまみをたくさん注文したあとで、友だちがヨーロッパみやげのデザートワインを開けよう、と言い出した。その子は一時帰国していたが、もう当分の間外国に住むことが決定していて、その日は彼女の送別会もかねていたのだった。
 それで、お店の人にこっそりとグラスをわけてくれる? と相談したら、気のいいバイトの女の子がビールグラスを余分に出してくれた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。


 それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一本のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。
 ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。
 するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られているのが聞こえてきた。

 さらに、突然店長というどう考えても年下の若者が出てきて、私たちに説教しはじめた。こういうことをしてもらったら困る、ここはお店である、などなど。


 私たちはいちおう事情を言った。この人は、こういうわけでもう日本にいなくなるのです。その本人がおみやげとして海外から持ってきた特別なお酒なんです。どうしてもだめでしょうか? いくらかお金もお支払いしますから……。


 店長には言わなかったが、もっと書くと実はそのワインはその子の亡くなったご主人の散骨旅行のおみやげでもあった。人にはいろいろな事情があるものだ。


 しかし、店長は言った。ばかみたいにまじめな顔でだ。
「こういうことを一度許してしまいますと、きりがなくなるのです」


 いったい何のきりなのかよくわからないが、店の人がそこまで大ごとと感じるならまあしかたない、とみな怒るでもなくお会計をして店を出た。そして道ばたで楽しく回し飲みをしてしゃべった。


 もしも店長がもうちょっと頭がよかったら、私たちのちょっと異様な年齢層やルックスや話し方を見てすぐに、みながそれぞれの仕事のうえでかなりの人脈を持っているということがわかるはずだ。それが成功する人のつかみというもので、本屋さんに行けばそういう本が山ほど出ているし、きっと経営者とか店長とか名のつく人はみんなそういう本の一冊くらいは持っているのだろうが、結局は本ではだめで、その人自身の目がそれを見ることができるかどうかにすべてはかかっている。うまくいく店は、必ずそういうことがわかる人がやっているものだ。


 そしてその瞬間に、彼はまた持ち込みが起こるすべてのリスクとひきかえに、その人たちがそれぞれに連れてくるかもしれなかった大勢のお客さんを全部失ったわけだ。

(中略)

いっしょにいた三十四歳の男の子が「まあ、当然といえば当然か」とつぶやいたのが気になった。そうか、この世代はもうそういうことに慣れているんだなあ、と思ったのだ。いいときの日本を知らないんだなあ。

この人の言う、「いいときの日本」って自分の本がベストセラーになってちやほやされてた時期ってことじゃないの?



もう一つ。

愛・蔵太の少し調べて書きたい日記:よしもとばななさんの日記と世界観を肯定的に考えてみる
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20090816/banana

一応、よしもとばななさんの公式日記もあるわけで、

よしもとばなな公式サイト | トップページ

 そこの公式日記からこんなのを引用。

よしもとばなな公式サイト | 日記 | 2009年08月

2009.08.04

今日はエアコンと冷蔵庫と洗濯機が来る日。

そして成田さんのタンスがやって来る日。

蓮沼さんと成田さんがバンでやってきて、すごく嬉しかった。タンスも当初と位置を換え、机も運んでもらい、やっと部屋がいい雰囲気になる。


ヨドバシカメラの下請けの配送業者さんがやってきて、冷蔵庫も洗濯機も階段の幅がどうだ、カウンターがどうのこうので入らないと言っている。成田さんがすかさず「手伝ってやるよ、カウンターを越えて運べばいいんだろ、男5人いたら簡単だ」とかっこよく言う。しかし先方は「お客さんに手伝ってもらうことはできない、だから、カウンターの手前に置くから、自分でやれ、こっちの人手は貸せない」などと言っている。


自分がせっかく運んできた冷蔵庫が、目の前で人手が足りないことによって、お客さんが落っことしたりして、たとえば壊れても、仕方ない、そうなったら責任は客にあるから問題が起きない、というわけだ。


ヨドバシの人に「あほじゃないか?」と文句を言ったら、「こちらではなんとも、業者さんの会社の責任でして」などと言っている。いやな世の中だね〜、分業にしちゃってるから責任のたらいまわし、まあ、それにつけこむ客もいるからってか。


そして増員なら今から手配するから3時間待てとか言っている。意味なく炎天下の3時間、外においてある冷蔵庫と洗濯機。男手が意味なく5人、その場でぶらぶらしている。

ほんとにばかみたいな世の中になっちまった…。


自分にはなんの権限も判断もしない、ロボットみたいな変な仕事を毎日汗水たらしてする人たち。持ってきたものの無事やその家庭に家電が入って喜ばれることよりも、責任問題のほうが大事な人生。かわいそうだなあ。

で、結局、カウンターの前までその人らが運んで、成田さんと蓮沼さんとヒロチンコさんで冷蔵庫を入れた。それをじっと立って見ている力のある若い配送の人たち。


そのあと洗濯機をその人らがふたりでなんとか運んで、手伝うなと言っているので、みんなでじっと見つめる。

ほんと〜にばかみたい。

怒っているのではなく、狂ってるなと思うだけだ。


人生を、助け合ったり、自分で判断したり、決めたり、失敗したりする権利を持っている俺たちはそのあと楽しく浜に行き、夕陽をみたり花火を見たり、あじ平でおいしいラーメンを食べたりしたが、その人たちは責任問題はいろいろ大変だから、クレームをつけてくれるなよと説明して、汗だくで帰っていった。うまい酒が飲めなさそうでかわいそうだ。その仕事に生きがいを求めろというほうがむりだろう。

事務的な対応をされたことに切れるくらいなら、吉本ばななに同意する人も少なくないと思う。実際、最初の例ではバイトの子かわいそうだな、とちょっと思ったくらい。


しかし、ばななの文章の不快さはそんなものを凌駕している。なんですかこの成層圏にも達するような上から目線は?


マリーアントワネットは「パンがなければケーキを食べればいいのに」と言ったそうだが、
よしもとばななは「パンなんか食べてるなんてバカじゃないの?」と言ってるようなもんである。だったら最初からパン屋に入るなと。


つまり、この場合だったらそんな大事な飲み会ならしかるべき店に行けばいい話で、安いチェーン居酒屋に行って何言ってるんだろう?と。
チェーン居酒屋が安く飲めるのは、ばなながバカにした若い店長がマニュアルに縛られてこき使われているから、という面もあるだろうに。


後の文章はさらにひどいもんだ。作家先生であるアタクシと違って色々しがらみがある人たちは可哀そうねと言ってるだけにしか読めない。不合理だと真正面からブチ切れる方がまだいい。


上記の、愛・蔵太さんの日記には、恐らくはばななを擁護する意見としてこういうコメントが引用されている。

ばななさんのエッセイなど他のも読んでいる人ならわかると思うんだけど、

彼女は、この件だけでなくて、大量生産/大量消費、アメリカ型に染まりつつある日本について、色々と指摘していた。例えば、地場の商店街がどんどんなくなり、モールだらけになっていくこととか。メニューが複雑化して、売っている本人たちもなんだか分からなくなっていく商品ラインナップとか。

その前提で読むと、彼女が、「私を特別扱いしてくれなかったチェーン居酒屋が悪い」などということを言いたいのではない、ということが分かるはずだ。


むしろ、私の場合、このコメントによってばななの文章の不快さの原因がわかったような気がした。「私を特別扱いしてくれなかったチェーン居酒屋が悪い」「お客が手伝えないなんてバカバカしい」と真正面から怒るならむしろ可愛げがあると思うのである。それなら、自分自身の感情の問題であると自分自身認識してるわけだから。怒る理由も、まあ全くないわけじゃない。


「大量生産/大量消費、アメリカ型に染まりつつある日本について、色々と指摘していた。」とか、エライ作家であるばなな先生が啓蒙してくださっていると言う上から目線がイライラする原因だと思う。そんな、数十年前から言われているようなことを持ち出して、ご大層に説教してくださってるわけだ。その「啓蒙」的スタンスで自分の感情を覆い隠し、正当化しているのに厭らしさを感じる。


本当にそういう問題意識を持ってるなら、何でもっとちゃんとした店に行ったり、地元の電気屋に行ったりして、そういうところにお金を落としてやらないのか?筋が通らない。大量生産/大量消費の果実だけ受け取って、サービスのレベルは落とすなと。それは流石に無理があるのでは。そういうことを何にも考えず、ただ目の前の事象に基づいて話を広げるところに、この人の底の浅さを感じざるを得ない。


どうもよく分からんが、作家って社会にモノ申す権利があると勘違いしてる人が少なくないみたいである。どう考えても実社会から遊離した存在としか思えないんだが。それだけならまだしも、ばななの場合は社会のしがらみに縛られて生きざるを得ない人間を愚弄するような物言いをしているのが不快さに拍車をかけている。


マリー・アントワネットの発言は単なる無知で済ませられる部分があるが、攻撃性に加えて自分の下劣な感情を出来合いの理屈で正当化するお利口さんは余計にタチが悪いな、と。



まだ読者がいるのかどうか知らんけど、小説でも書いてる分には罪がないのに。


自分の場合、吉本ばななは大学の時に読んだ記憶がある。


何読んだかも、どんな話だったかも覚えていない。
覚えてるのは、あんまり面白くないなと思った、ということだけだ。


追記:

ワイン持ち込みは店によってはできるとこもあるみたいです。でも、あくまで筋を通して、お店のことも気遣った上で。


ほぼ日刊イトイ新聞:おいしい店との付き合い方
http://www.1101.com/restaurant/2005-02-17.html


こういうこと、スマートにできる人ってかっこいいし、知性を感じますよね。


追記2:

もしかして、この人は単なるアホなのか?


玄倉川の岸辺:ばなな居酒屋論争(その2)
http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/e58a512c9f87c09d9907ab88d2891629

ばなな氏が公開している日記を見れば彼女の人間性の一端がうかがえる。ありきたりの常識に縛られず、自分自身の感性を大事にする芸術家だということがよくわかる。ばなな氏の素敵な日常をご紹介しよう(from 2ちゃんねる)。


スーパー銭湯に刺青隠さずに入ろうとしたら止められた。潰れるように呪いをかけた。 2001.11.07
後日談:友達なら止められた時に待ってくれるべきだろ、もうお前ら絶交な。2001.11.09


新幹線で自分の子供が騒いでたら注意された。日本終わったな。 2006.07.07
後日談:注意したのは榎木孝明のマネージャー、おめーだよ。覚えてるからな。2008.04.19


スーパーで注意してたのに子供が騒いでたら白い目で見られた。日本出て行くから別にいいけど。2007.03.11
家具を注文して設置の手配はしていなかったけど、クレーム出したらなんとかしてくれた。日本はアフリカ以上にいいかげん。2007.06.20
Via Bus Stop開店5分前に店に入ろうとしたら怒られた。この店もフランスみたいになったね。2009.02.23
39度の熱が出たので救急車呼んだら怒られた。看護婦はクソババー。 2009.05.06
運送業は自分の頭で考えない。生きがいを感じることのできない仕事。 2009.08.04


日記の表題は2ちゃんねらーが付けたもので、かなりの悪意が込められている。とはいえ、表題を差し引いてもばなな氏の武勇伝はインパクト抜群だ。


 すみません、リンク先のばななブログは毒気にあてられそうで読んでません。2ちゃんねらースレタイが恣意的な場合が多いのは知ってますが、どうしても読む気になれません。勘弁してくれって感じです。たぶん一番下の「運送業は自分の頭で考えない」が上に引用した文に相当するんでしょう。もうそれだけでおなかいっぱいです。


 実をいうと、このエントリを書いたのは、以前村上龍のエントリを書いた時に書いたとおり、「文士が政治経済に口を出すとろくなことがない」という意識があったもので、ばななが「大量生産/大量消費、アメリカ型に染まりつつある日本について、色々と指摘していた。」という話を読んだ瞬間に「また浮世離れした作家が半端な知識で社会批評してるのか?」と過剰反応してしまった、というわけで。


でも、もうネットの反応見てもばななに賛同してる人少なそうだし、村上龍ほどの影響力もなさそうだし、なんかもうどうでも良くなりました。


 それにしても、よしもとばななはなんでこんな文章垂れ流してるんだろう。居酒屋の件も配送屋の件も、太字の部分消すだけでだいぶ印象が変わってくると思うのになあ。もしかして、ブログが不特定の人に読まれてることを知らないのか?いや、居酒屋の件は出版されたものからの引用だからそんなこととは関係ない。


文章のプロ中のプロであるベストセラー作家なのに、不思議としか言いようがないです。芸術家の考えることはわからん。