iPhone アプリ ParkingLot を巡る訴訟
Patent Arcade - New Case: Rubin v. Apple Inc.
パズル作家 Don Rubin が Apple 社に対して訴訟を起こした件に関して, Patent Arcade によるまとめ記事。
記事によれば, Quetouch 社が App Store にて販売中のソフト ParkingLot の内容が, Rubin 氏が 1977 年に考案したパズルに酷似しているのだという。 Rubin 氏は同パズルに関する著作権を侵害されたとして,地方裁判所に対して ParkingLot の販売差止の仮処分の申し立てを行っている。また, ParkingLot によって Apple 社が得た利益から損害賠償の支払いを要求しようとしているようでもある。
この訴訟を素人の観点から見て不思議に思う点がいくつかある。まず,パズルゲームのアイデアに関して著作権は発生しうるのか? Rubin 氏は本当にこの「駐車場をモチーフにしたスライディングブロックパズル」の考案者なのか? いくつもある同種のゲームの中から ParkingLot だけを選び,しかも Quetouch 社を訴えるのではなく Apple 社に対して訴訟を起こしたのは何故か?
Quetouch 社によれば, ParkingLot は日本のパズル作家芦ヶ原伸之氏によって考案されたパズル「ラッシュアワー」から「インスパイアされた」ものであると表明されている。
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「ラッシュアワー」が考案された時期は定かでないが, Wikipedia によれば 1970 年代後半であるとされている。
著作権は元来「アイデアの表現」に関して発生するものであって,アイデアそのものに対して与えられるものではないはずだ。だから,スライディングブロックパズルのルール自体を争点にすることは難しいと思う。ただ,そのパズルのモチーフとして「駐車場」を当てはめ,「車を駐車場から出す」という設定を与えた部分に関しては,表現としての創造性が認められるのではないかと思う(それを最初に考えたのが Rubin 氏だとは限らないが)。