Sticky Light


Sticky Lightスマートレーザースキャナを用いたインスタレーションの一種だ。東京大学石川小室研究室の Alvaro Cassinelli 助教授らによって開発された。このシステムでは「絵」と「レーザーの光」を通して人間とコンピューターのインタラクションを実現している。回りくどい話はさておき,上の映像を観てみるのが早いと思う。

Sticky Light の技術的に面白いところは,このシステムがカメラ(イメージセンサー)を使用していないという点だ。このシステムの核となるスマートレーザースキャナは,レーザーダイオードとフォトセンサーとミラー制御装置から構成されている。レーザーの照射の仕方にコツがあって,2次元的なスキャンを行うことなく,3次元空間上での物体のトラッキングが可能となっている。動作原理についてはこのページの解説が分かりやすい。

http://www.k2.t.u-tokyo.ac.jp/fusion/LaserActiveTracking/tracking_principle_fondnoir.jpg

僕は個人的に,このような「現実空間側に主を置くタイプ」のインタラクションの仕組みが好きなんだと思う。これとは逆の,コンピューター上の仮想的な空間の中にカメラから取り込んだ映像を重ねて云々――というのは,わざわざ現実を退化させてから拡張しているような感じがして……凄いとは思いつつもどこか好きになれないところがある。

(via GameSetWatch)