初めての経験

シルバーウィーク中、相撲観戦以外は予定ゼロで暇すぎたので図書館へ。時間が余ってるんで面白そうな本を探しながら本棚の間をのろのろ歩いてたら、知らないオバチャンにいきなり話しかけられました。「この辺、読んだことある?普通に面白いですよ」と、指差されたのがこの2冊。

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20年以上図書館に通ってるけど、知らない人に突然オススメされるのは初めての経験。どう面白いのか聞くと曰く「変な感じじゃなく面白い。つまり、妙に暴力的だったり性的すぎるわけじゃなくストーリーを楽しめる。短編だからとっつきやすい」と。通勤電車で読むときは避けるけど、自宅で読むなら単行本でもOKなので借りてきました。結果、アタリ。面白かったです。短編ごとに色んな業界の背景がわかるし、人物描写が楽しめます。時間が空いてて新しいジャンルの本を読みたいと思っていたニーズにぴったりハマりました。あのときのオバチャン、ありがとう。

作家特有のモチーフ

つらつらと思ったこと。小説家によっては作品をまたいで執拗に出てくるモチーフがあるのに興味が湧いてきました。主題、ではないですよ。有名どころだと村上春樹さんの「深い井戸の底にもぐる」ですね。あとは上の2作品に輪唱のように出てきたのは「年上の女性を口説きに若い男がオープンカーで乗りつける」でした。続編とはいえ、長い月日をまたいで書かれた短編ですから、作家の根底にあるテーマなのかなぁと不思議に思った次第です。あとは「高い塔から絶体絶命の男女が飛び降りて脱出する」とかね。同一作家が異なる作品に繰り返し持ち出すモチーフは、きっと文学ではメジャーな研究対象なんだろうけれど、マイナーどころの作家さんのモチーフを集めてるサイトとかないもんだろうか。