安野光雅氏が昔から好きである。「旅の絵本」が特に好きで、各ページで旅人を探したり、隠された物語の場面などを探すのが楽しくて、どこに何があるかわかってからも、顔をくっつけるように見入った。

旅の絵本 (安野光雅の絵本)

旅の絵本 (安野光雅の絵本)

アメリカの高校時代、寮が閉まる休み中にお世話になっていたメリケン家族がいた。そこのお父さんのお父さんの家に遊びに行ったとき、本棚に「旅の絵本」が置いてあった。嬉しくて、見てもいいかと聞いたら、「いいけど、そんな子供の本ではなくて、他の本でもいいよ」とじーちゃんは答えた。「いえ、これが見たいのです」と言いながら、内心「これは子供の本ではないっ」と憤慨していたのだった。

安野氏の自伝が出ている。

絵のある自伝

絵のある自伝

まだ読みかけ。戦前・戦時中のことで、胸を打つようなエピソードがあくまで淡々と書かれている。

一つ気になったことがある。安野氏は走るのが遅かったらしいのだが、大人になってから、それは彼が3月生まれで他の生徒よりも体が小さかったからだということで納得しているご様子なのである。私も足が非常に遅く、かけっこでは必ず一番最後であった。だが、12月生まれで、背は最後から2番か3番目くらいに高かった私は、このどんくささをどう納得したらいいのだろうか。悲すぃー。