「いつもどおり」が出来ないプレーオフの面白さ



NFLワイルドカードプレーオフNHKBS1で放送していた、
ダラス・カウボーイズシアトル・シーホークスの試合の感想を。


いやぁ、凄い試合でしたねぇ。
特に、シーホークスを応援して見ていた人たちは、たまらないだろうなぁ。


こういうことが起こるのが、緊張感あるプレーオフならでは、ということなのでしょう。


あの瞬間まで、カウボーイズホールダーをしているのがQBトニー・ロモだということを、
知らなかった方も多いのではないでしょうか。


僕も忘れてました。


ロモは、QBドリュー・ブレッドソースターターだったときから、
ずっとホールダーを務めています。


調べてみると、昨シーズンは64回、今シーズンは77回、
レギュラーシーズンでホールダーを務めており、
その間、特にミスがあったという話も聞きません。


そして、この試合でも4回、問題なくホールダーとしてプレー。
しかし、最後の最後、あんな場面であんなことが起こるとは・・・。


いつもやっていることが、いつもどおりに出来ない。


こういうことが起こるからこそ、プレーオフは面白いんですよね。
(本人にしてみれば、そういう風に言われるのが面白いわけもないでしょうが)


ロモには、是非、これを乗り越えて、
より素晴らしい選手になっていってもらいたいものです。


しかし、考えてみると、あの「ミス」の後に、ロモが走ってエンドゾーンを目指し、
直前で止められていましたが、タッチダウンまでは無理でも、
もう少しでファーストダウンは獲得できそうだったんですよね。


ちなみに、実況では、「ロモがファンブル」と何度も言われていましたが、間違いで、
あれは、地面に当たってボールがこぼれているので、ファンブルではないです。
単純に、「フォースダウンファーストダウンを更新できなかった」から、
その場所からシーホークスのオフェンスとなっただけです。


で、その「ファーストダウン更新」をギリギリで止めたのが、
シーホークスSSジョーダン・バビノーだったのですが、
つまり、バビノーが追いついていなければ、シーホークスの勝利もありませんでした。


振り返ってみると、そのフィールドゴール挑戦の1つ前のプレーでも、
一旦、「ファーストダウン更新」と判定されたものが、ひっくり返っていたわけで、
そのときのディフェンス陣の頑張りが無ければ、やはり、シーホークスの勝利は無く。


何もかもが、紙一重だよなぁ。
うーん、面白い。


余談ながら、よく、オーバータイムで決勝フィールドゴールを狙う場合などに、
まだサードダウンなのにも関わらず、フィールドゴールを蹴ることがありますが、
これは、ミスがあったときに、もう1度挑戦しなおせるように、ということなんですよね。
(もちろん、蹴ってしまうと、やり直しは出来ません)


ということは分かっていながらも、
そういう場面でミスしたのは見たことがないので、
ついつい「もう1プレーすればいいのに・・・」と思ってしまうところですが。


今回は、残り時間との関係もあったりして、
サードダウンで挑戦する場面ではありませんでしたが、こういう結果を見てしまうと、
「サードダウンでのフィールドゴール挑戦」の大事さが、よく分かります。


さて、「いつもやっていることが、いつもどおりに出来ない」というのは、
何も、ロモに限ったことではないでしょうね。


話が遡りますが、昨日放送された試合で、
カンザスシティ・チーフスレシーバー陣がポロポロと落球していたり、
Kローレンス・タインスが簡単なフィールドゴールを失敗していたのも、
そういうことなんでしょう。


この試合でも、同じように、レシーバー陣の落球が非常に目につきました。


・・・カウボーイズWRテレール・オーウェンズだけは、
「いつもどおり」だったようにも思いますが。
(落球も「いつもどおり」だし、良いプレーも「いつもどおり」)


そのあたりがオーウェンズの凄さなのか・・・?


さておき、そういう、「いつもどおり」ではないミスを除いて考えると、
僕が思う、この試合のカウボーイズの「敗因」は、
RBマリオン・バーバーが全く走れなかったことかな、と思っています。
(第16週の試合の感想でも、「敗因」として挙げていましたが)


直接的には、「17対13」で迎えた第4クォーター残り時間約11分、
敵陣10ヤード地点で「サードダウン残り1ヤード(未満)」という場面で、
それをバーバーが取れなかったことが大きかったかな、と。


このドライブタッチダウンを取れていれば、
最後の展開もなかったわけですし。


ただ、この試合、バーバーは3回しか走らせてもらえていません。
先ほど書いた場面が、第4クォーターなのに、まだ「2回目」。


いくら、「大事な場面だけ出てくる」のが仕事と言っても、
それでは調子を乗せることも難しいのではないでしょうか。
(もちろん、ボールを持って走っていないだけで、プレーには出ていましたが)


解説にもあったように、RBジュリアス・ジョーンズの調子が良かったために、
ずっとジョーンズが使われ続けていた面はあったと思うのですが、
せっかく、シーズン中は併用で上手くいっていたのに、
この試合ではそうしなかったのは、ちょっと勿体無かったんじゃないかなぁ、と。


僕は、バーバーの活躍は、高く評価していますので、それが残念でした。


まあ、先ほど書いたような「大事な場面」で走れてこその「バーバーの活躍」なので、
それを出来なかったバーバーが「敗因」と言えるのも、確かなんですけどね。


あと1つ、この試合で思ったこと。


それは、あの「セイフティ」の場面なんですけども。


結果論でしかないことを承知で書きますが、
最初の判定どおり、あのプレーを「タッチダウン」としておいた方が、
逆に、カウボーイズにとってプラスに働いた、ということはないでしょうかねぇ。


セイフティだと、次もシーホークスのオフェンスで、そこで逆転されてしまったわけですが、
タッチダウンなら、次のオフェンスはカウボーイズ


「同点」でカウボーイズのオフェンスです。


「第4クォーターも半ば」という、残り時間の多くない場面だったからこそ、
あえて、そういう選択肢もあったんじゃないかなぁ、と思ってしまいます。


まあ、リプレーを見れば明らかなことだったので、チャレンジせずに負けてしまったら、
大批判になってしまうところでしょうけども・・・。


とにもかくにも、カウボーイズが負けてしまったことは残念でしたが、
非常に面白い試合でした。


以上、ワイルドカードプレーオフカウボーイズシーホークスの試合の感想でした。