新シーズンを占うドラフト、4月29、30日に開催!

 2006シーズンのNFL ドラフトが、いよいよ今週末の4月29日(土)と30日(日)に、1965年以来恒例となっているニューヨークで開催される。今年のドラフトはおなじみのマジソン・スクエア・ガーデンを離れ、史上初めてラジオシティ・ミュージック・ホールが会場となる。

 2日間に渡るドラフトでは、初日に1〜3ラウンドまで、2日目に4〜7ラウンドまでの指名が行われる。今年は、昨シーズン中にFAにより多くの選手を失ったチームに計32個の追加指名権が与えられており、全体で255選手が指名を受けることになる。

 NFLドラフトは前シーズンの成績が下位のチームから順番に選手を指名する、ウェーバー制のドラフトが採用されている。各ラウンドでは、指名を行うチームには制限時間が与えられ、その間にどの選手を指名するか、はたまた指名権を他チームにトレードして、より多くの指名権、もしくは選手を獲得するかなど、様々な駆け引きが行われ、時としてドラマが生まれる。

 1996年のドラフトでは、ピッツバーグ・スティーラーズがその年の2ラウンド目の指名権と翌年の4ラウンド目の指名権と引き換えにラムズからRBジェローム・ベティスを獲得。ベティスはその後、一躍ピッツバーグの人気者となり、2005シーズンに悲願のスーパーボウル制覇を達成し、ホールオブフェイム入りが確実視されるキャリアに幕を閉じた。

 1998年には、ペイトン・マニングライアン・リーフと2人のQBどちらが全体1位で指名されるかが話題になった。全体1位指名権を持っていたインディアナポリス・コルツマニングを指名。リーフはその年の1位と2位、翌年の1位プラス選手2人と引き換えに全体2位の指名権を獲得したサンディエゴ・チャージャーズが獲得。マニングはその後、数多くのパス記録を塗り替え、2004シーズンにはリーグMVPに輝いたのに対し、リーフは全く芽が出ぬままわずか5シーズンでNFLを去るなど、大きく明暗を分けた。

 今シーズンの全体1位指名権は、ヒューストン・テキサンズが持つ。テキサンズは、昨シーズンに大学最優秀選手に与えられるハイズマン賞に輝き、3年生を終えてNFL入りを決意したUSCRBレジー・ブッシュを獲得することが有力視されている。

 今年のドラフトの最大の注目は、USCマット・ライナートテキサス大ヴィンス・ヤングバンダービルト大ジェイ・カトラーら、QBを巡る争いである。この3人の中では、ライナートが最も早く指名されると予想されている。全体2番目の指名権を持つニューオリンズ・セインツが、FAですでに元チャージャーズQBドリュー・ブリーズを獲得していながらQBの指名を示唆するなど、早くもドラフトに向けての各チームの駆け引きは始まっている。