まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ゴミ箱から失礼いたします

ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J)

ゴミ箱から失礼いたします (MF文庫J)

  • ストーリー

高校二年生の初日、小山萌太は一つのゴミ箱と出会った。
気づくと彼はそのゴミ箱の中に入っており、しかも出られなくなってしまっていた。
そんな彼の前に、クラスメイトの少女、水無氷柱が現れ……。


Twitterで面白いと言われたので購入。
もっと早く読めば良かった。面白かったです。


まず発想が愉快ですね。主人公がずっとゴミ箱の中に入ったままなんていうアイデアが一体どこから生まれたのでしょうか(笑)
普通はこんな状態で生活を送るなんて不可能のように思えますが、そのあたりをあっさり流してしまっているところが凄い。
結構無茶なことを言ったりやったりしているんですけど、読んでいるとなぜか、「ああ、こういう人達なら仕方ないな」と自然に納得させられてしまう。不思議。
最初からありえないような設定だからこういう無茶が通ってしまうんですかね。
そういう意味では、学園ものでありながらファンタジーでもあるといえるのかもしれません。妖怪とか出てくるし。


ツッコミ主人公と毒舌ヒロインのやりとりがたまりません。
わりとよくある組み合わせですけど、やっぱり大好きです。毒舌最高。
普段の強気と時折見せる可愛らしさのギャップに頬が緩みっぱなしになりました。氷柱可愛いよ氷柱。
他に登場するキャラクターも個性的な面々ぞろいで楽しいです。
特に妹の紅子はドタバタコメディにぴったりのキャラになっていると思います。


ストーリー上ではいくつか盛り上がる箇所がありました。
気付くと事件が終わっていて、いつの間にか次の事件が起こっているといったような具合です。
あっさりしているといえばそうですが、その分読みやすいので軽く読めてしまいます。
そんな気軽さもこの作品の魅力のひとつではないでしょうか。


イラストは異識さん。4コマ漫画「あっちこっち」は僕も大好きな作品です。
アニメチックなイラストが予想以上にこの作品に合っていたと思います。氷柱の髪の矢印がいいですね。