まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

はい、こちら探偵部です

  • ストーリー

山岡迅朗は世にも稀な濡れ衣体質である。
お嬢様学校として有名な星丘学園に入学した迅朗は、さっそく見に覚えのない傷害事件の犯人にされてしまう。
身の潔白を示すために探偵部なる部活に向かってみると、そこにはクラス一のお嬢様・栗原玖梨湖がいて……。


なんとなく惹かれるものがあったので読んでみました。
基本はほのぼのとしたラブコメ、そこにちょっぴりミステリ風味を足したような作品ですね。
とても読みやすいので気軽にまったりと読めます。
特に女の子のふわふわとした描写が好きです。可愛い子を見た時ってこんな具合になるよなあとしみじみ。


探偵部にいるのは携帯電話の向こうで事件を解決するだけで姿を見せようとしない探偵と、その助手の玖梨湖。
謎の探偵というのは神秘的で素敵ですよね。なんとなく全てを解決してくれそうな期待感がある。
玖梨湖はお嬢様ながら嫌味なところが全くない穏やかで優しい女の子です。
可愛い女の子がここまで親身になってくれたらもう惚れるしかないんじゃないでしょうか。丁寧語萌え。
探偵部を迅朗に紹介したのはクラスメイトの円城寺佳織(あだ名:住職さん)。
こちらは活発で自由奔放ですが、犯人の濡れ衣を着せられた迅朗に冷たい態度を取るクラスメイトばかりの中、唯一迅朗と仲良く接する優しい子です。
玖梨湖も住職さんも、明らかに迅朗のことを気にしている様子が実に可愛らしい。
もちろん迅朗は気付いていないんですけどね。ラブコメの常というものでしょうか。


読んでいて気になったのはキャラたちの口調です。
迅朗の口癖が「あっはっはー」なのですが、これが台詞・地の文問わず頻繁に登場するので落ち着きません。
そしてどのキャラも語尾が緩んで間延びしている。
「ぁ」や「ー」などを多用することで最近の高校生っぽく見せているのかもしれませんが、正直イライラさせられます。
さらに、どうも気に食わないのが迅朗のスタンス。
濡れ衣を着せる理不尽な周りの人たちにはつくづく腹が立つのですが、迅朗はそれらを全て笑って流そうとします。
気持ちは分かるけれど、何が起こってもいつもへらへら笑ってやり過ごすのはあまりに切ないし悲しい。
物語の主人公として、怒るべきときはしっかり怒って行動に移す原動力として欲しいと思います。


ブコメとしては面白いし、ミステリ部分もちょっとした驚きがあって*1楽しめました。
ラストでキャラも増えて賑やかになったし、2巻の発売も決定しているみたいなので、期待して待つことにします。


イラストはよし☆ヲさん。柔らかくて可愛らしい絵柄ですね。
とってもいい表紙だと思うのに「電撃の缶詰」*2にイラストが載っていないのはなぜなんだろう……。

*1:単に僕がミステリを読み慣れていないだけだという説もあります

*2:電撃文庫の折り込み広告チラシ