まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

黒のストライカ

黒のストライカ (MF文庫J)

黒のストライカ (MF文庫J)

  • ストーリー

闇の一族・夜魔の生き残りである高夜椋郎。
幼馴染のしはるに正体を隠しながら、ごく普通の高校生として平穏に毎日を過ごしていた。
しかしある日、元臣家である吸血鬼と、彼女を狙う吸血鬼狩りの戦いに巻き込まれてしまい……?


1冊まるっと導入編といった印象でした。
謎と伏線を思う存分散りばめて風呂敷を広げまくっています。
異能ものに複雑な設定はつきものですからまあ仕方ないのですが、さすがに少し混乱させられました。


他人への関心を持たず、しはるなどごく一部の人間以外どうでもよさそうな椋郎にはどうも好感が持てません。
生まれとか過去とか理由はあるのでしょうけど、もう少しどうにかならないのかな……。
決して優しくないわけではないので、それをもう少し表に出すことができればなあ、と思うのですが。
バトルのときの椋郎は普通に格好良いです。
いかにも魔の種族といった感じでクールな魅力があります。主人公っぽくはないですけどね。


ヒロイン陣には面白いキャラが揃っていると思います。
メインヒロインは一応しはるということでいいのでしょうけど、今回はそれほど目立っていなかったような。
そもそもしはるに椋郎の正体がバレてはいけないわけで、となるとバトル展開などに登場させることができない。
その分日常でやりとりが多めになっているとはいえ、やはり日常よりは非日常の方が目立ちやすいのでこんなことになっているのではないかと。
涙もろくて心優しい素敵な子だし、なんとか活躍していってくれると嬉しいです。
最もおいしいキャラは蔵島翠子でしょうか。
吸血鬼+変態というアクの強さで向かうところ敵なしといった感じですね。
カラーピンナップでもしはるを差し置いて見開き独占していたり。巨乳は強し。これが世の理ということなのか。


終わり方は消化不良気味。
敵組織が姿を現し、これからさらなる過酷な展開が待ち受けていることでしょう。
椋郎は少しでも成長した姿を見せてくれるのでしょうか。
とにかく続きが気になるところです。次巻が待ち遠しい。


イラストは硯さん。スラッとした絵柄が作品によく合っていると思います。
液体がエロティックだ……。