魔法少女☆仮免許
- 作者: 冬木冬樹,H2SO4
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2010/11/20
- メディア: 文庫
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- ストーリー
貴樹和貴が学校から帰ると、アパートの隣に住む友人・田辺川涙から電話がかかってきた。
そのまま和貴の部屋に押し掛けた涙は、いきなり和貴の目の前で「魔法少女」に変身してみせる。
まだ魔法少女仮免許である涙は、二次試験のために和貴の協力を求めに来た、ということらしいのだが……。
第6回MF文庫Jライトノベル新人賞<佳作>受賞作。
あらすじや表紙からてっきりラブコメもしくはギャグ路線だと思っていたのですが、意外にシリアスでした。
それも結構重め。魔法少女という明るいイメージで読んだだけになおさら重く感じます。
初めのうちはずいぶん読みにくく感じました。
なんといっても会話が独特ですね。内容よりも言葉遊びを重視しているかのような流れでした。
慣れるまで時間がかかりましたが、一旦慣れると妙にはまります。
地の文の描写は丁寧ですけど、一気につらつらと並べ立てられるのでちょっと困惑。
こちらも慣れるまではしばらくかかりました。
ヒロインは田辺川なんでしょうけど、正直あまり目立っていなかったような。
言葉遊びだらけの台詞は楽しい。何を考えているのか分からない無表情っぷりもなかなか可愛い。でもそれだけ。
そこそこ活躍しているはずなのにどうも目立たないというか、もう1人のヒロインに食われている感じがひしひしと……。
そのもう1人のヒロインが水粂水萌(みずくめ・みなも)です。
優しげな外見とは裏腹に理不尽・暴力的・支配者思考の持ち主。
なんというか、惜しい。可愛いというにはちょっときつすぎる。見ていて面白いキャラだというのは確かなんですが。
どちらのヒロインもあとひと押しが足りない。もしくは一歩ずれてる。巻が進めばもっと魅力的になりそうな予感はあります。
さらに不可解なのが主人公・和貴。
とあるこだわりを持っているのですが、そのこだわりっぷりがはっきり言って異常です。とても気になる。
不自然なまでに田辺川に追従するのもおかしい。恋をしているというわけでもなさそうだし。
個人的にはあんまり好きになれないのですが、この主人公が受け入れられればもっと楽しんで読めるような気がします。
導入編のような色合いも強かったので、次から本格的に物語が動いてくれるのではないかと期待しています。
特に恋愛方面が楽しみ。田辺川にもっと頑張ってほしいです。
イラストはH2SO4さん。水粂がとても可愛いですね。
左目上のほくろに何とも言えぬ色っぽさを感じます。