まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

緋弾のアリアⅧ 螺旋の天空樹

  • ストーリー

謎の会合『宣戦会議』で、キンジは戦乱の始まりを目の当たりにする。
抑止力となっていた犯罪組織『イ・ウー』が崩壊したため、世界中の組織が利権を求めて争い始めたのだ。
二つの連盟『師団』と『眷属』どちらかへの所属を求められたキンジだったが……。


にわかに暗雲立ち込める裏世界。一気に敵が増え、否が応でも大きな流れの中に巻き込まれていく『バスカービル』。
危機はますます勢いを増し、キンジたちに襲いかかってきています。
でも今回は味方にも妖怪や超人が現れたのでなんとなく心強い。特に狐の玉藻は結構凄い存在なのではないでしょうか。
色々な組織が絡み合い複雑な関係をなしているようですが、そんな戦の中で、キンジたちがどのような働きをすることができるのかということが焦点になってきそうです。


殺伐とした争いごとはさておいて、文化祭が近づく武偵校ではラブコメモードが展開中。
ほんの少しだけ態度が柔らかくなった(ような気がする)アリアと、その理由が全く分かってないキンジ。
もはや様式美とさえ言えるこのコンビには頬がゆるみっぱなしです。
でもそろそろ気付いてあげないと、いい加減にアリアが可哀想。こんなに恋愛光線を放出しているのに。
女性に疎いといっても流石に鈍感すぎます。そのくせ無意識に他の女の子をたらしこんでいるのだから手に負えない。
そろそろ「刺され」るぞ、とか思ったけど、すでに「撃たれ」まくってましたねこの人。


ヒロインを奪うライバルの出現、それはラブコメの華。
しかもそれはアリアにとってベストだと思われるパートナーで、お似合いじゃないかなんて自分に言い聞かせつつも、苛立ちを隠せないキンジ。
そんなキンジとの亀裂を埋めたいアリアだけれど、キンジの拒絶にショックを受けて……ああもう、じれったい。
しかしこのすれ違いから、2人のお互いへの想いがひしひしと伝わってきて、じれったく思いながらもニヤニヤしてしまう。たまりませんなあ!


今回も手に汗を握るハイスピードバトルが見物です。
ヒステリアモード・キンジさんの「やってみたらできちゃった」技はもはや恒例行事。何でもありですねあなた。分かってたけど。
バトル後に衝撃の事実が明かされましたが、正直これは初めから分かっちゃいますよね。主に表紙(ネタバレ防止で反転)のせいで。
まあ仕方ないことなのかもしれませんが、ちょっとそこのところは考えて欲しかったかな。


そしてまたもやこんな続き方。相変わらず読者をやきもきさせるのが大好きですね、赤松先生。
早く、早く次の巻をお願いします。アニメ放送の頃までなんて、とても待ちきれそうにありません。


こぶいちさんのイラストは毎回素晴らしいけれど、今回は本当に凄かった。
小学生アリアも最高でしたが、ジャンヌは完全に不意打ちでした。可愛すぎる。