まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ミスマルカ興国物語Ⅷ

ミスマルカ興国物語 VIII (角川スニーカー文庫)

ミスマルカ興国物語 VIII (角川スニーカー文庫)

  • ストーリー

帝国領となったミスマルカの統括官として日々を過ごすマヒロ。
かつての快活さや精彩を失ったその姿に、念願のマヒロを手に入れたルナスも肩すかしを感じていた。
シャルロッテはそんなマヒロに、未だ反旗を翻しているペルーナ城の攻略をまかせると言い出して……。


敗北から1年。
別人のようにふぬけてしまったマヒロが、どのように復活を遂げるのかを描いています。
前巻があの状況だったため、他の林作品を読んでいない身としては不安いっぱいだったのですが、今回は知らないキャラが唐突に出てくるなどということはなく、とりあえずひと安心。
元の仲間たちはバラバラになり、マヒロの周りにはルナスを初めとした帝国の人々がいるだけで、パリエルもシーナもジェスもいない。
1人で頑張るマヒロもまあ悪くはないのですが、やっぱり彼に関して言えば、あの仲間たちと一緒にいたからこそ魅力があったのかなあと思います。
なんてったってギャグが少ないし、帝国軍の中じゃ好き勝手ができないし。
いや、今回だって結構な無茶をしているのですけれど、今までに比べるとどうもあっけないような気がしてなりません。
帝国軍の人々だって面白いんですけどね。なんだかんだ文句を言いつつマヒロの世話を焼くルナスとか。しかし妙に可愛いな、この人。
何より、エーデルワイスが健在だったのは嬉しいです。彼女がいないとどうもしまらない。


元仲間たちは色々と立場を変えて登場しますが、その中でも気になるのはやはりパリエルですね。
なんと言っても「姫」だし、また剣の腕を上げているようだし、従者・レイナーと合わさって相当の戦力になっているかと思います。
今後も帝国の敵として、ひいてはマヒロの敵として、その前へと立ち塞がってくれることでしょう。
むしろ個人的には彼女が主人公でもいいんじゃないかと思うのですが、まあそうはいかないか。
もっとバトルが見たいので、マヒロ視点だとどうも物足りないのですよねえ。


先が全く読めないこの作品。
次はどのような展開が待ち受けているのか、楽しみなような、怖いような。
他のキャラの活躍にも期待したいところですね。ジェスとかどこに行ったんでしょう?


あとがきの指摘で初めて気づく。ああ、確かにもう「興国物語」ではないですよね。
それにしても、ヤツが登場しないというのは残念です。