まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

きゅーきゅーキュート!13

きゅーきゅーキュート!13 (MF文庫J)

きゅーきゅーキュート!13 (MF文庫J)

  • ストーリー

世界中で活躍している組織・地球語協会からの勧誘を受けた理刀。
心を惹かれつつも、レゾン学院を離れ、みんなと別れることに抵抗がある理刀は、なかなか決断ができずにいた。
一方魔界では、王命によりキュートを十年間幽閉しようという計画が進行していて……。


久しぶり(?)のキュートヒロイン回。待ってました。
周りのヒロイン陣が凄いだけに、どうしても影が薄くなりがちですけど、キュートがメインを張ってくれるとやっぱり物語が締まりますね。
囚われの姫を助けに行く主人公たちっていうのは、何度あってもいいものです。
キュートと周りの人々の絆、それぞれのキュートへの思いが強く感じられました。


格好良かったのは魔族の面々ですね。中でも今回表紙を飾った毒舌丸は大活躍。
彼女のフォンターナへの忠誠心は、ちょっと胸に来るものがあります。
あの鉄面皮の下に熱く煮えたぎるものが眠っていると思うとね。こちらまで熱い気分にさせられますよね。
フォンターナの姉妹たちもたくさん登場。遂に一桁台のお姉様が勢ぞろいして、遂にこの時が! という感じ。
王家とキュートへの愛の間で思い悩む彼女たちがとても切ない。
中でも特別なのはやはりスイートですね。
王家に従って、ひとつ下の妹を見捨てなければならないのか。それとも家が忠誠を誓う王家に逆らうのか。
いつもいがみ合っている、たったひとりの妹。その妹のために彼女が最終的に下した決断には、ぐっときてしまいました。ああ、本当にいい娘だな……。


理刀は相変わらずのモテモテっぷり。そろそろひとりに絞ってみてはどうか。
まあ、誰かが好きって言っているわけでもないし、みんなで一緒にいること自体が楽しいみたいだから、今はこれでいいのかもしれませんけど。
むしろ、みんな理刀にデレデレなのにこれといった諍いもなくわいわいやってるヒロインたちが凄いね!
まさに天性のハーレム構築能力。『混沌とした実在』なんかよりずっとレアな力ではないでしょうか。


とんでもないところで続いてくれました。これからどうなっちゃうの!
個人的にはここらへんでスキュース姉様が颯爽登場してくれると嬉しいのだけれど。
キュートの秘密が明かされ、理刀たちの未来の話なんかもあって、物語もいよいよ大詰めという雰囲気ですが、もしかして終わっちゃうの? そうだったら寂しい。
せめて全員分のSSが揃うまでは続いて欲しいなあ、とか思ったり。
ともかく、次巻も楽しみです。


“イマジネーション・ラバー”がめちゃくちゃ胸に突き刺さるんですけど。