まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

精霊使いの剣舞3 風の誓約

精霊使いの剣舞3 風の誓約 (MF文庫J)

精霊使いの剣舞3 風の誓約 (MF文庫J)

  • ストーリー

フィアナを仲間に加えたクレアたちは、精霊剣舞祭への参加条件である学内ランキング上位三枠に着々と近づいていた。
ところがそこに、エリスの義姉にして学園最強の精霊使いである、ヴェルサリア・イーヴァが立ちはだかる。
どうやらヴェルサリアは、レン・アッシュベルと浅からぬ因縁があるらしいのだが……。


今回も安定感ばっちりの面白さでした。これぞ剣と魔法のファンタジーラブコメ
直球ど真ん中を全力で狙いに来ていることを感じさせる、萌えありバトルありのストーリーがとても好みなんですよね。


「ヴァレンティア聖祭」なるお祭りに思わずにやり。
好きな人にチョコレートを渡す日という、ぶっちゃけバレンタインデーの代わりのイベントなんですけど、ファンタジーにまでそれを持ち込んでくる気概が素晴らしい!
バレンタインがラブコメにおける一大イベントであることは周知の通りですが、異世界にバレンタインがあってはおかしいという理由からか、描かれることがほとんどありませんよね。
そこでわざわざ名前を変えて、この世界独自のお祭りを設定してきたと。なんとも嬉しい配慮ではないですか。こういうのが見たかった。
クレアを初めとした女の子たちのチョコ攻めに大いにニヤニヤさせてもらいました。
恋愛方面では、やはりクレアが貫禄のメインヒロインっぷりを見せつけていましたね。
ちょっとした勘違いとやきもち、一方的な喧嘩、そしてそこからの巻き返し。
欲しがっていたペンダントを密かに……なんて、カミトもなかなかどうして、粋な計らいをするじゃありませんか。モテるわけだよ。
表紙に抜擢されたエリスも大躍進。また意外とあっさり落ちちゃったな。
しかしまあ、世間知らずの純朴少女、なかなかいいと思います。メイドはあまりに唐突でしたけどね!


クレアたちのチーム・スカーレットに、遂に5人のメンバーが集結しました。
そんな彼女たちの今回のバトルのお相手は学園最強の精霊使い・ヴェルサリア。
圧倒的な力を誇る彼女を敵に回した上、クレアたちは、なんとカミト抜きで戦うことになってしまいます。
ところが、そんな強大な相手に対し、意外な善戦を見せるチーム・スカーレット。
いつもいがみ合ってばかりいる彼女たちが、クレアの見事な指揮に従って、力を合わせてヴェルサリアに立ち向かう姿に胸が熱くなりました。協力プレイっていいよね!
緊急のわりに都合よくバランスの整ったパーティ編成になっている点には突っ込んだら負けだと思います。


最後できっちり美味しいところをもっていくのが主人公の役目。毎回怪我で終わっているような気がするが大丈夫か。
いよいよ精霊剣舞祭への準備ができて、次回からは遂に物語の核心部へ進んでいきそうな予感がします。
レン・アッシュベルの過去や、災禍の精霊姫の真実など、未だ残されている大きな謎がこれからどのように明かされていくのか、楽しみで仕方ありません。
もちろんラブにも期待。個人的にはクレアを応援していますが、今回少々空気気味だったフィアナ姫にも頑張ってほしいところです。


ピンナップのエストにやられました。何この魔性のチョコレート。