まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(5)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。5 (ガガガ文庫)

ストーリー
夏休み、小町といつもの日々を過ごす八幡の家に結衣が訪れる。
家族旅行の間、結衣の飼い犬・サブレを預かる約束を、小町と交わしていたのだった。
三日後旅行から帰ってきた結衣は、お礼にと八幡を花火大会に誘うのだが……。



今回の帯コメントは誰じゃろほいと地味に楽しみに待っていたらTVアニメ化のニュースでした。おめでとうございます。
そんな記念すべき第5弾ですが、内容は今までに比べて少々薄め。ついでにページ数的にも薄め。何より雪乃がほとんど出てこないし。
次巻からの本番に向けて力をたくわえ、ひと休み、といった具合でしょうか。
大きな動きはないけれど、それぞれのお話が面白いのは確かです。淡々と過ぎゆく日々にも、つい何かの意味を見出そうと思ってしまうのですが、八幡に聞かれたら笑われてしまうかもしれませんね。
何か起こりそうで起こらないぼんやりした日常は、いかにも夏休みっぽいといえるのではないでしょうか。


雪乃を差し置いて、小町、結衣、沙希、大志、戸塚、材木座、平塚先生、そして陽乃さんと次々にイベントをこなしていく八幡さん。
どれだけリア充っぽいことをやっていてもちっともそうは見えないあたり、さすがと言う他ありません。
というか改めて八幡は暗いよ! なんでそんなに何もかもを穿った見方でしか見られないのか。いや何もかもは言い過ぎだった。戸塚と小町以外の間違い。よりによってなんでそこで選ぶのが男と実の妹なんだ……不毛すぎる。九十九里浜くらい不毛。あ、今の千葉的にポイント高い!
八幡がリア充になれないのは明らかに自分自身のせいなのだけれど、八幡はそのことに自覚的で、それでいてあくまで非リア充を貫こうとする。
そのくせリア充のことは恨み節たっぷりにこき下ろすのだから、いやはや、非常にタチが悪いですよね!
まあ、生き方の違いの問題ですから、他人がどうこう言えるもんでもないのでしょうが。八幡は八幡で、そのへんのリア充よりよっぽど楽しい生活を送っているような気がしないでもないし。楽しさは主観的なものですからね。たぶん相当楽しいと思います。自分でも気付いてないかもしれないけれど。
チート兵器小町ちゃんとメインヒロイン☆ゆいゆい(異論は認める)を除けば、今回予想外の可愛らしさを発揮していたのが平塚先生ですかね。
いや、この勢いだと普通にフラグ立ててきそうで怖いんですけど。大丈夫か八幡。大人の女が時折見せるいじらしさに騙されるな!


浴衣の女の子はいいものだ。浴衣の美少女はもっといいもの。浴衣の結衣となったらこれはもう天帝が召し抱えるレベル。
ということでちゃっかり花火大会デートですよ。いいですね結衣さん! そのままどんどん押せ押せですよ! あと小町ちゃんナイスフォロー。
なんだかんだで、それなりにいい雰囲気にはなるんですよね。ただ、そこから先が絶対的な壁に阻まれているわけですが。八幡の攻略難しすぎるだろ。アイワナビーザ結衣とか出ちゃうレベル。八幡の面と雪乃の面はどっちが難しいかな……。
着実にイベントを進めていく結衣と、最後の最後まで登場さえしてこなかった雪乃。
でも、実際に登場してこなくても毎回話題に上がるのは雪乃の方であって、物語の中での存在感が大きいのはやっぱり彼女だと思うんですよね。はてさて、もしこれから青春ラブコメが始まるのだとしたら、いったいどちらがヒロインとして君臨するのでしょうね。
もちろん、結局戸塚エンドに陥る可能性もまだ捨て切れないわけですが。八幡がそれでいいならいいんじゃないかな……。
最後の見開きイラストは実に印象的でした。夏休みの後に続くのは波乱の2学期。続きが待ち遠しいですね。


もう猫がヒロインでいいや。ごろごろ。カマクラはいったいなんて鳴いたんでしょうね。