まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

それがるうるの支配魔術 Game5:キングメーカー・トラップ

ストーリー
二学期が始まったばかりの欧文研のもとを訪れたOG・月城舞花。
彼女の話から違和感を感じ取ったタマキは、部室に仕掛けられた魔術を見破り、謎の数列を発見する。
暗号になっていたその数列は、繋がるうるへ宛てたメッセージで……。



遂にるうるの兄への手がかりが。まったり謎解きパズルをやっているようでいて、実はしっかりストーリーも進んでいるのですね。
暗号というやつにはロマンがあります。まるで意味のないように思える文字列をいじくって、何かの法則性を発見するというゲーム的な要素はもちろん、それが解けたときにはきっと何かご褒美が待っているという宝探し的な夢も兼ね備えていると思うのです。
ですから本当は、先のページを読まずに本気で自分で考えてみればもっと楽しめるのでしょうが、やっぱり早く先のストーリーを読みたいということがあるので、なかなか厳しいですね。
ただ、正直この暗号は――2行目が――あまり親切なものじゃなかったと思うので、たぶん私には解けなかったでしょう。
別にパズルブックを読んでいるわけではありませんから、どうでもいいっちゃどうでもいい部分なんですが、繋さんならもう少しヒントなりなんなりを出して、フェアな勝負を仕掛けてきたような気もします。
とはいえ、タマキがあっさりと解いてしまったことも確かなわけで、タマキの存在を繋さんが予見していたとするならば、結果的にこの暗号で良かったということにもなりますけどね。
ここは素直に、タマキの凄さを賞賛しておくことにしましょうか。


兄の手がかりを求めて暗号を解いたはずなのに、気付いたらテーマパークで集団デートに勤しむリア充たちの姿がそこに。い、いったい何が起こったというんだ……?
アトラクションをひとつひとつ回りながら、次のヒントへ、次のヒントへと渡り歩いていくのは、これまた宝探しやオリエンテーリングのようで、わくわくしてきますね。もちろん、可愛い女の子と一緒なら楽しさも100ptアップ。
碓氷が外国語に堪能すぎる気もしますが、まあ、奴ならそれくらいは楽勝なのかもしれません。
集団デートと書きましたが、今回はほとんどるうるとタマキのターンでしたね。
いやはや、るうるは本当に無邪気可愛い! もしもサブヒロインだったら、ちょっと煙たく思えるタイプかもしれませんが、そんな彼女がメインを張っているからこそ、純粋に愛でることができます。なでなで。
それからようやく、るうるだけではなくて、タマキも、ということが分かって安心しました。なんだよ友人ぞろぞろ引き連れておいてふたりでイチャコラですか! ちくしょうめ!


いつにもましてるうるとタマキのカップルに焦点が当たっていると思ったら、なるほど、最後にこうつながりますか。
シリーズの核心に迫る衝撃の展開で、いやあ、続きが実に気になります。
いつの間にか物語もクライマックスに近づいているようで、ここからどんな展開が待ち受けているのか、今までの謎や伏線がどう関係してくるのか、楽しみで仕方ないですね。
不安もありますが、るうるが笑顔でいられるようなラストを迎えてくれると信じています。次の巻が待ち遠しい。


P46の小春の発言は、やっぱり修正漏れのようで。ずっと首筋が痒かった……。