まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

落ちてきた龍王と滅びゆく魔女の国Ⅱ

落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国II (MF文庫J)

落ちてきた龍王〈ナーガ〉と滅びゆく魔女の国II (MF文庫J)

ストーリー
迫るカサンドラ王国軍二千を、二十人で迎え撃とうとする魔女たち。
ナーガ考案の二つの秘策の準備を整えた魔女たちは、いよいよ王国軍との戦端を開く。
ところが、決め手となる“二の矢”の発動がなぜか遅れてしまい……。



店頭で見かけたときは一瞬1巻と見分けが付きませんでした。相変わらず豪勢な表紙イラストですね。
そのお話の内容は1巻以上に豪勢で、遂に王国軍との全面対決が始まりました。
キャラも増えてお色気シーン(古くさいこのワードが一番しっくりくる気がします)も豊富。前巻以上に満足度の高い1冊でした。


数で負けている相手との戦いというものは、色々な作品でちょこちょこ目にしてきましたが、2000人対20人、という人数差はあまり記憶にありません。
人数差というか、20人ではそもそも、計略を巡らせるにも人数が足りないですよね。ひとりひとりが数十人の働きをする魔女たちだからこそできる戦いだと思います。
ひとりが数十人の働きをするといっても、平地で真正面から戦って、ド派手な魔法を撃ちまくって勝てるというわけではありません。
なぜなら、純粋に戦いに利用できる魔法を使えるのは一部の魔女たちだけ。しかもこちらは、できることならひとりの犠牲も出さずに勝たなければいけないのです。だからこそ、ナーガの計略が生きてくるわけですね。
ハリガンやアイスの魔法は、1対1の戦いでも力を発揮しますが、自然のものを利用することでより大きな効果を与えることができます。
さらにそれが、相手の兵士たちの士気を下げることにつながって、最終的に何十倍もの威力を得ることになるんですよね。そういう意味では、偶然とはいえ、ノノエルの働きも大きかったですね。
今回の作戦の基礎となっているのはハリガンとアイスの魔法だと思いますけれど、もちろん計略を実行するためには他の魔女たちの魔法が不可欠です。色とりどりの魔法をパズルのように組み合わせてひとつの戦いを形作っていくのは見ていて気持ちよかったですね。


戦いが終わり、ナーガの正体も明かされました。まあ、読者のほとんどが分かっていたでしょうけれども。
しかし、彼がナーガの正体だとすると、永久にこの世界にいるわけにはいきませんよね。物語が終わった暁には、元の世界に戻ってしまうのでしょうか。個人的には、この世界で一大ハーレムを築きあげていただきたいものですが。
いや、ハーレムじゃなくてもいい。レラだけでいいから。むしろレラをお持ち帰りする方向でも。ああ、レラは可愛いなあ!
さて、ひとつ壁を乗り越えた魔女たちですが、ナーガが目指す目標には、まだまだ先が長そうに思えます。
とりあえず次は、他の一族との協力を得ることができるかどうかというところから始まりそうですね。ナーガの謎の魅力は他の一族の魔女たちにも通用するのでしょうか。楽しみです。


びしょ濡れのレラのイラストが素晴らしい。あの垂れた水滴がだんだん他のものに……いやいや。