まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

魔法科高校の劣等生(16) 四葉継承編

ストーリー
司波深雪の許へ、四葉本家から一族の有力者が顔を揃える新年の集い「慶春会」の招待状が届く。
ところが司波兄妹は黒羽貢と次期当主候補の津久葉夕歌から、深雪を本家へ近づけない為の妨害工作の存在を知る。
元旦の会に間に合うよう、早めに本家へと発つ達也たちだったが……。



四葉の次期当主は誰か、またイレギュラーである達也の扱いをどうするのかについて、大人たちがあれこれと陰謀を巡らす第16弾。
何かと謎に包まれていた四葉家の家系図や、4人の次期当主候補とそのガーディアンなど、色々なことが分かって楽しい巻でした。
また、深雪さんがようやくメインヒロインとしての本気を出してきましたね! 外堀を埋められる形で、ではありますが。


現当主の真夜から命じられたため、なんとしても元旦の慶春会に出席しようとする深雪たちと、それを妨害しようとする分家の勢力。
妨害の理由が単純な次期当主争いということではなくて、達也を四葉の中枢から遠ざけるためだというんだから、本当に嫌われたものです。
まあ貢の口から今回色々と明かされたこともあって、動機に納得できる部分もあるものの、結局は自分の言動とは関係ないところでこうも一方的に遠ざけられる理不尽さ……そりゃ深雪も怒りますわ。
襲撃自体はお兄様をターゲットにするには雑魚すぎてつまらなかったんですけど、最後に大物が控えてくれていました。もちろん彼らも全然届かなかったわけですが。
とはいえ、四葉でもガーディアンと恋仲に……なんて夢見がちなことをしてる御曹司がいたと知って妙に親近感が湧きました。琴鳴ちゃんはなかなかに可愛かったです。弟の方はムカつきますけども。


四葉の人間は、ごく一部にしか達也の本当の実力が明かされていない、というのがある意味学校以上に守られていて、周囲の人々の達也を侮る態度がいちいち鼻につきます。
しかしそれも、真夜がとんでもなくでかい爆弾を落としてくれるまで……まさかこんな風にして、達也と深雪の関係を変えてくるとは。当主様やりたい放題ですか。
完全に外部の力によって恋のあれこれが決まってしまうのは少し釈然としないものがありますが、とりあえず今回の件で深雪が大きくリードしたことは明らかです。亜夜子は可哀想でしたが……あんなに可愛いのに、なぜ敢えて達也なんだ……。
しかし次回は「師族会議編」! となれば、もちろんあの男が黙っているわけもありません。
深雪の喜びに水を差すのは怖すぎるけれど、ほのかのことだってあるし、このまま終わらせては欲しくないので、思う存分荒らしまわってもらいたいですね。


葉山さんだけが有能だった。