まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア4

ストーリー
新米冒険者ベルの訓練に付き合うことになったアイズ。
他所の人間に手を貸しているということは、ロキ・ファミリアの面々には絶対に秘密。
しかしアイズを追いかけたレフィーヤは、早々にその秘密を知ってしまい……。



本編シリーズで最熱ともいえる“あの3巻”の裏側を描いた、アイズのアイズによるアイズのための外伝、第4弾。
大きく前後章に分かれた構成で、前半ではベル君との特訓が、後半ではアイズ及びロキ・ファミリアの冒険が描かれました。
あまりにも強大な敵を前に、刀折れ矢尽きた第一級冒険者たち。そんな彼らを奮い立たせたのは……なんだこれ、なんだこれ! こんなん震えるやろ!


本編主人公・ベルと、外伝主人公・アイズがようやくきちんと出会いました。いやあ、外伝が出ると知ったときから、この特訓が楽しみで仕方なかったのですよ!
アイズがベル君へ特訓を申し出た理由や、ベル君の成長ぶりをどう見ていたのか、そして膝枕がどうして恒例になったのか。
ベル君のことを微笑ましく見守るアイズがまた微笑ましくて、大いにニヤニヤさせてもらいました。昼寝の訓練とか、たまらんです。ほんと可愛い。
一方、そんなベル君に嫉妬するレフィーヤは、自分にも特訓を付けてくれるようアイズに依頼。
本編主人公を目の敵にするレフィーヤには苦笑いですが、まだまだ伸び盛りで、目を見張るような成長を見せてくれる彼女のことはもっと応援していきたいですね。


駆け出しのルーキーがロキ・ファミリア首脳陣の前で見せた「冒険」。
彼の姿に感化されたように、ダンジョン深層への遠征で暴れまくる第一級冒険者たち。
外伝1巻で激闘を繰り広げた50階層よりさらに下、59階層までの道のりは、迷宮都市トップの戦力である彼らをもってしてもピンチに次ぐピンチの連続で、手に汗握りました。
ここから見せつけてくれたのは、フィン、リヴェリア、ガレスの大幹部たちですね! ティオナ、ティオネ、ベートさえ驚愕させる、今まで見せなかったLv.6の本気は、やっぱり凄かったです。
運命の59層。待ち構えていたイレギュラー。勝機が見いだせない大ボス。倒れゆく仲間たち。
諦めかけた皆に掛けられる、団長の言葉。まさか彼らを奮起させたのが、他ならぬ彼の名前だとはね……驚きました。それにしても真のカリスマは違うわ。痺れちゃうもの。
まさに全力を賭した彼らの最後の突撃は、ただただ圧巻。大活躍のフィンやアイズはもちろん、レフィーヤの奮闘も、胸にグッと来るものがありましたね。格好良かったぞ。
何やら陰謀が渦巻いておるようですが、面倒くさいことは考えずにひたすらアイズたちの冒険が見ていたい! 次はどんな冒険が待ち受けているのでしょうか、楽しみでなりません。


しかし、なんだ……オッタルさんは文字通り、ひとりだけ「レベルが違う」。