まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

どうでもいい 世界なんて ―クオリディア・コード―

ストーリー
戦闘科での成績不振により天然系うっかり女子の蓮華と共に生産科へと出向された千種霞。
彼を待ち受けていたのは、生産科のカリスマ上司・朝顔が仕切るブラックな職場環境だった。
生産科の立場向上を目指す彼女には大きな目標があって……。



待ちに待ったクオリディア・コード千葉編が遂に登場!
ブラックな職場で仕事やめてえと愚痴りながらもあくせく働く残念な感じの主人公と、可愛すぎるダウナー系妹の兄弟愛を描く(多分)お仕事×バトルアクション。
先輩に振り回され、上司に振り回され、くたくたに疲れて帰って無愛想な妹に癒やされる。やっぱり妹って最高だわ……。


戦闘科でスナイパーとして戦っていたものの、上長から生産科への出向を命じられ、いつもニコニコサービス残業なブラック事務所で働くことになった主人公・霞。
上にはめっぽう弱く、下にはめっぽう強い、まるで話の分からない先輩。経営者としてはカリスマかもしれないが、どう考えても現場の扱い方がおかしな上司。
コンプライアンス? 何それ日本語? って感じの闇の職場から恐怖しか感じない……。霞はなかなかのクズだけれど、これは霞じゃなくても仕事したくないわ! やめようお仕事至上主義!
それにひきかえ妹の素晴らしさときたらですよ。いやね明日葉ちゃんっていうんですけど、この子ちょっと可愛すぎるのでは?
外できょうだいと会うのは恥ずかしいからちょっと距離をあけて、ふたりきりの時は気のおけない会話。一見そっけなく思えても実のところ誰よりお兄ぃのことを考えていたりして、ほんと明日葉ちゃんだけが癒やしですわ。一方で戦場では次期エース候補だったりするくらいに格好良いからずるい。
アニメ先行のイメージもだいぶあるとはいえ、かなり好きなキャラクターです。


ブラックな職場環境を作り上げてしまった張本人の上司・朝顔。しかしまあ、直に接してみれば彼女は彼女で可愛いところがあったりもするわけです。
あまりの気持ちの強さゆえに多少ねじれてしまっているとはいえ、彼女の生産科への思いは本物(ついでに千葉への思いも本物)。
戦闘科だけに利益が集中する現状を打ち壊そうと、実際の行動で頑張る朝顔は間違いなく立派なのでしょう。しかし、それが実現できるかどうかはまた別の話。
そして、そんな立派な上司の夢を間近で見てきた霞がそこに本気になれるかどうかというのも、また別の話なのです。付き合えるところまでは付き合うけれど、自分で引いた線より向こうには決して行こうとしないというところが、霞らしいというかなんというか。
千葉編の主人公たるこの兄妹、表に出すエネルギーという点では、東京や神奈川には一枚も二枚も敵わない。しかしこの前日譚のあと、ふたりは都市首席と次席になっているわけで、その理由が後編で明かされるのか否か、楽しみなところです。


イラストはsaitomさん。明日葉ちゃんの可愛さは言わずもがなとして、案外霞のキャラデザが好きです。
あと朝顔ちゃんもね! おでこ!


お風呂上がりの明日葉ちゃんが魅力的すぎて目から火花出る。