まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

封印少女と復讐者の運命式

封印少女と復讐者の運命式 (ダッシュエックス文庫)

封印少女と復讐者の運命式 (ダッシュエックス文庫)

ストーリー
古代文明によって作られた破壊不能の超巨大構造体<エデン>の中で生活する人類。
元特殊部隊の青年・ノオトは、かつて復讐に燃え、果たすこと叶わずに流浪の身となっていた。
あるとき彼は、<エデン>を徘徊する殺戮兵器“アフレイド”の中でも最悪とされる“封印少女”と遭遇するのだが……。



第3回集英社ライトノベル新人賞<優秀賞>受賞作品。
超古代文明によって作られた巨大構造体の中で独自のルールの下に生活する人類たちの戦いを描くSFバトルアクション。
新人賞作品とは思えないゴリゴリにSFマインド詰め込んだ世界設定でワクワクが止まらないよ!
改造された戦士の主人公が、いくつかの出会いを通して復讐よりも大切なものを見つける物語、ベタだけれど燃えました。


破壊すること叶わぬ機械の迷宮<エデン>。何者かが作ったその巨大構造体の中で、この世界の人類は暮らしています。
生きていくために必要な最低限のエネルギーや食料は与えてくれる<エデン>。しかしその一方、人を突然「封印」してきたりするし、人と見れば襲い掛かってくる殺戮兵器「アフレイド」が徘徊していたりする。
コロニーだのビッグスリットだのリバシオだの、よく分からない単語ととっつきにくい舞台設定に初めこそ面食らったけれど、しかし読み進めていくうちにどんどんのめり込んでいってしまう。
不安に満ちた主人公やその周囲の人々、ひいては人類の明日がどうなってしまうのか。何が起こるか本当に分からないからこそ、続きが気になって仕方ないのです。


主人公・ノオトは、アフレイドとの戦いのために身体を改造した元特殊部隊の青年。彼はある日、単独行動中に、人型アフレイドの少女・イドアリスと運命的な邂逅を果たします。
アフレイドでありながらなぜか人間に友好的で、特にノオトにベッタリのイドアリス。とても可愛らしく微笑ましいヒロインですが、いざ戦いとなると一変してとんでもない戦闘力を見せてくるんだから最高。
仇への強い復讐心、憎しみから戦いを続けてきたノオトが、イドアリスや、一生懸命でまっすぐな貴族の少女・エリンゼと出会い、触れあう中で次第に友情を育んでいく。
復讐を果たして燃え尽きるのと、友のために戦って生き残るのとではそれからがまるで違います。道を違える機会を得たノオトと、今回敵として立ちはだかった「仇」の彼女とでは、そこだけが異なっていた。そしてノオトは先へと進むことができた。
<エデン>という巨大すぎるシステムに対抗しようとした不器用な彼女には、だからこそ悲しみを覚えずにはいられません。
かなり綺麗に終わってはいるのですが、バトルもキャラクターも良かったし、何よりこの世界が1巻だけで終わってしまうのはもったいないと言わざるをえない! 続いてくれるといいなあ。


イラストは墨洲さん。眼帯少年にメカ少女、どっちも格好良いぜ!
頬染めエリンゼさんがえっちだ。


嬉しいモード!(かわいい)