痒さ

帰ってからのことで頭が”いよいよ”ぐるぐるし始めてる.
まだここにいてるにも関わらず、遠くなる.遠ざかる.
だるまさんが転んだの逆版みたいな感じ.
振り返る度、ずん、と遠くなっていく.




ときどきかつての情景が一瞬にして甦る時がある.
音楽とか匂いとか.
例えばあの時の乾燥した匂いは独特で、草原が突然目の前に現れたりする.
今見えるこの景色もきっとそうして現れてくれることを期待してる.



ここで知り合ったクラスメイトたち.
最近痒い.もう時間がない、っていう焦りのせいで余計に増してるのかもしれない.
痒いところに手が届かなくて、痒さがただただ残ってしまう.
もっと自分の気持ちを自分のわかってる範囲で正確に表現できて、
相手が発したものを自分がどう受け取ったかなるたけ忠実にリアクションできれば…と.
何で表現するにしても、これをこなすのは簡単やない.
言葉を使ったところで、たかが言葉…と思うことも多々.
けど、感情に関わる部分を話そう、というところに至るのはそうしょっちゅうじゃないだけに、
だからその一瞬はすごく貴重やと思うだけに、
いざその時がきたときに言葉はすごく便利なものやと実感してるのも確か.
英語を学ぶのはいつか仕事を上手にこなせたらいいなとかやなくて、
この目の前の人たちともっとしゃべりたいからなんや、とこっちにきてから時々そう思う.
何かに興味がわいて、何かを知ろうとするのは、
誰かと話がしたいと思ったときに、その誰かの言ってることがなるたけつかめるように、
知っておきたい、と思うからかもしれない…なんてまで思ったり…
進もうとしてること自体への関心は、実は二の次三の次で、重心はここにあるんかもしれない、と.
よくわからないけど…なんとなくそんな気持ちに最近なってる.
一つ何か見えた気がしたときには、それまでにわかってた気になってたものに対して疑ったりする作業をしてしまって、
だからやっぱりいつまでもわからないことだらけな気がする…
困るね.




話はかわって…
昨日チョウキットに行った.KLにある庶民の市場があるところ.
マレーシアに来て一番初めに出かけたがチョウキットやった.
来てすぐのころで、その時は1人で、暑くて、ご飯を食べて静かに帰ってきた.
昨日は友人と2人.そしてどしゃぶりの雨.
めずらしくなかなか止まない長い雨で、触ってみるとその冷たさにびっくり.
地面は水浸しで、つま先かかとは泳いでるみたいで、しょっちゅう滑るから足がパンパンになって最後はつった.

 

てなわけで体は疲れたのやけど、心はほくほく.
店に立つおっちゃんもおばちゃんもおにいちゃんもおねえちゃんも、
ちょっぴりシャイやけど人懐こくて、でも全くしつこくなくナチュラルで、
市場全体がふわんふわんの笑顔で溢れてた.
雨音が大きくなったら誰かが「ヒュー」と声を出して、
そしたら隣の店の兄ちゃんが「ヒュー」と答えて、
その次には隣のおっちゃんが「ヒュー」とにやける.
もちろん私らもにっこにこやった.

 

ここを大好きって思える自分が嬉しくって仕方なかった.
なんて素敵なところなんやろうって、
2人で何度もうなずきながら雨に濡れて帰って来た.



これはおまけ.
可愛いね.赤ちゃんがお母さんに甘えるところってなんか優しい.
子猫は3匹いる.