拠点間の共有ファイルへのアクセスが悲劇的に遅い

症状

Windows 7から他拠点にある共有ファイルへのアクセスが、非常に遅い。ファイルコピーの転送速度は次のような感じである。いろんな影響を受けるので、計測の信頼性は低いが、それでも違いすぎる。速度の単位はKB(キロバイト)/s。

Windows 2008 R2 --> Windows 7 Windows 2003 R2 --> Windows 7 Windows 2008 R2 --> Windows XP
エクスプローラでのコピー 3~14KB/s 80KB/s 2,120KB/s
WebDAV (Windows標準) 計測不能 (*) 未計測 (+) 1,100KB/s
WebDAV (CarotDAV) 計測不能 (*) 未計測 (+) 4,170KB/s
FastCopy 4.8KB/s 未計測(-) 2,531KB/s

(*) 1000KBコピーが10分たっても終了しなかったり、途中で止まったりしたため、計測不能とした。
(+) Windows 2003 R2側にWebDAVを用意していないため、計測しなかった。
(-) いい加減いやになり、計測しなかった。

環境

各拠点のルータ AR450S (アライドテレシス)
OS Windows 7
サーバ Windows 2008 R2、Windows 2003 R2

原因

Vista向けのKBだが、に古いルータだと遅くなると書いてある。(機械翻訳なので英語を見た方が確実です)
で、アライドテレシスのHPで調べたら、AR450SはWindows 7の対応表には掲載されていなかった……

回避方法1

各拠点のAR450Sのファイアウォール ポリシを次のように変えたらうまく行った。
TCP Setup Proxyをdisableからenableに変更。
ただ、デフォルトではenableなので、うちの業者さんが意図的にdisableにしていると思われる。そのため、確認してからでないと設定できない。

回避方法2

Windows 7の受信ウィンドウ自動チューニングレベルとRecieve-Side Scaling 状態を無効 (disable) にする。次のコマンドでできる。

>netsh interface tcp set global autotuninglevel=disabled
>netsh interface tcp set global rss=disabled

元に戻すには

>netsh interface tcp set global autotuninglevel=normal
>netsh interface tcp set global rss=enabled

Active Directory 移行作業: Windows 2000ドメイン --> Windows 2008 R2ドメイン

概略

いろいろな手順があるが、今回は、既存のActive Directoryに、新規のWindows Server 2008 R2ドメイン コントローラ (DC) を追加し、操作マスタを受け継がせるやり方を取る。

ドメイン domain.jp
現DC (FSMO付き)、DNS (プライマリ) DC2000A 移行前IP: 192.168.0.1 移行後IP: DHCP
現DC (FSMOなし)、DNS (セカンダリ) DC2000B 移行前IP: 192.168.0.2 移行後IP: DHCP
新DC (FSMO付き)、DNS (プライマリ) DC2008A 移行前IP: 192.168.0.3 移行後IP: 192.168.0.1
新DC (FSMOなし)、DNS (セカンダリ) DC2008B 移行前IP: 192.168.0.4 移行後IP: 192.168.0.2

大まかな手順

  1. 既存フォレスト、ドメインスキーマを拡張 (DC2000A)
  2. 新規Windows Server 2008 R2サーバ機の準備、DCとして追加 (DC2008A、DC2008B)
  3. FSMOの転送 (DC2000A)
  4. Windows 2000 Server DCの降格 (DC2000A、DC2000B、DC2008A、DC2008B)
  5. DNSの移行 (本来は不要?)
  6. ドメイン、フォレストの機能レベル変更 (DC2008A)
  7. SYSVOL複製方式の変更

なお、作業は不要なトラブルを避けるため、定時後に行う。残業している方には申し訳ないが、休日出勤はいやなので……。

既存フォレスト、ドメインスキーマ拡張

この作業は、DC2000Aで実施する。

事前準備
  1. ドメインの管理者権限でログオン。
  2. サポートツールの入手。
    http://www.microsoft.com/japan/windows2000/downloads/servicepacks/SP4/supporttools.mspxで入手する。
フォレストのスキーマ拡張
  1. コマンドプロンプトで "repadmin /options DC2000A.domain.jp +DISABLE_OUTBOUND_REPL" を実行。AD複製を無効にする。
  2. Windows Server 2008 R2のインストールメディアをDVDドライブへ挿入。
  3. コマンドプロンプトで ":\support\adprep\adprep32 /forestprep" を実行すると、「ADPREP の警告:」が表示されるので [c]キー、[Enter]キーと押す。
    ※ アップグレード前の環境が64bit OSの場合、":\support\adprep\adprep /forestprep" (adprep32ではなくadprep) を実行する。しばらくかかるので、完了するまで待つ。
    Windows 2008 R2ドメインでなく、Windows 2008ドメインへ移行する場合、Windows Server 2008のインストールメデイアを挿入し、":\sources\adprep\adprep /forestprep" を実行する。
  4. adprep /forestprep が完了したら、"repadmin /options DC2000A.domain.jp -DISABLE_OUTBOUND_REPL" を実行し、無効にしていたAD複製を有効にする。
ドメイン操作モードのネイティブモードへの変更

ドメイン操作モードがネイティブモードである必要がある。既にネイティブモードとなっている場合、次の「ドメインスキーマ拡張」へすすむ。

  1. [スタート] - [プログラム] - [管理ツール] - [Active Directory ドメインと信頼関係] と選択。[Active Directory ドメインと信頼関係]が表示される。
  2. リストから「Active Directory ドメインと信頼関係」 - 「domain.jp」を選択し、右クリックする。メニューからプロパティを選択する。[domain.jpのプロパティ] が表示される。
  3. [ドメイン操作モード] を確認し、「混在モード」になっている場合、[モードの変更] をクリックする。
  4. 「このドメインをネイティブモードに変更しますか? …」と表示されるので [はい] をクリックする。
  5. [domain.jpのプロパティ] で [OK] をクリックする。「操作は正常に完了しました。…」とでるので、[OK] をクリックする。
ドメインスキーマ拡張
  1. コマンドプロンプトで "repadmin /options DC2000A.domain.jp +DISABLE_OUTBOUND_REPL" を実行。AD複製を無効にする。
  2. Windows Server 2008 R2のインストールメディアをDVDドライブへ挿入。
  3. コマンドプロンプトで ":\support\adprep\adprep32 /domainprep /gpprep" を実行すると、
    ※ アップグレード前の環境が64bit OSの場合、":\support\adprep\adprep /domainprep /gpprep" (adprep32ではなくadprep) を実行する。
    Windows 2008 R2ドメインでなく、Windows 2008ドメインへ移行する場合、Windows Server 2008のインストールメデイアを挿入し、":\sources\adprep\adprep /domainprep /gpprep" を実行する。
  4. adprep /domainprep /gpprep が完了したら、"repadmin /options DC2000A.domain.jp -DISABLE_OUTBOUND_REPL" を実行し、無効にしていたAD複製を有効にする。

新規Windows Server 2008 R2サーバ機の準備、DCとして追加 (DC2008A、DC2008B)

この作業は、新しいDCとなるDC2008A、DC2008Bで行う。今回のケースではDC2008AはCore Installとなっている。Core Installの場合、dcpromoのインストールウィザードが使用できないため、DC2008Bを先にDCに昇格し、その情報をファイル化する。そのファイルを元にDC2008AをDCへ昇格させる。

DC2008BのDCへの昇格
  1. [スタート] - [ファイル名を指定して実行] をクリック。名前に "dcpromo" と入力し、[OK] をクリック。いくらかメッセージが表示された後、「Active Directory ドメイン サービス インストールウィザード] が起動するので、[次へ] 進む。
  2. 「オペレーティング システムの互換性」が表示されるので、[次へ] 進む。
  3. 「展開の構成の選択」が表示されるので、[既存のフォレスト]、[既存のドメインドメイン コントローラを追加する] をチェックし、[次へ] 進む。
  4. 「ネットワーク資格情報」 でドメイン名を入力する。また、ドメインへの追加の資格がない権限でログインしている場合、[設定] を押し、資格情報を入力する。元の画面で [次へ] 進む
  5. ドメインの選択」で domain.jp を選択し、[次へ] 進む。
  6. 「"adprep /rodcrep" がまだ実行されていないため、……」と表示されたら、[はい] をクリック。
  7. 「サイトの選択」が表示されたら、サイト名を選択し、[次へ] 進む。サイトは、何もしていない場合、「Default-First-Site-Name」となっている。
  8. 「追加のドメイン コントローラー オプション」で [DNS サーバー]、[グローバル カタログ] をチェックし、[次へ] 進む。
  9. 「権限のある親ゾーンが見つからないか……」のメッセージが出るので、[次へ] 進む。
  10. 「データベース、ログファイル、及びSYSVOL の場所」が表示されるので、[次へ] 進む。
  11. ディレクトリ サービス復元モード Administrator パスワード」が表示されるので、パスワードを入力し、[次へ] 進む。
  12. 「概要」が表示されるので、内容を確認する。
  13. [設定のエクスポート] をクリックし、ファイルへ保存する。
  14. DNSドメインサービスのインストールが開始するので、[完了時に再起動する] をチェックする。
  15. インストールが完了すると、自動的に再起動する。
DC2008AのDCへの昇格
  1. DC2008BのDCへの昇格時に保存した設定ファイルをDC2008Aの任意のフォルダへコピーする。(ここでは "C:\unattend.txt" ファイルとして説明する)
  2. unattend.txtを編集する。
    "Password="
    "SafeModeAdminPassword=<ローカルAdministratorのパスワード>"
  3. DC2008Aで "dcpromo /unattend:C:\\unattend.txt" を実行する。しばらくすると、再起動する。

FSMOの転送

この作業はDC2000Aで実行する。

スキーママスタの転送
  1. [スタート] - [ファイル名を指定して実行] を選択。「regsrv32 schmmgmt.dll」と入力し、[OK] を押す。
  2. [RegSrv32] が表示されるので、[OK] を押す。
  3. [スタート] - [ファイル名を指定して実行] を選択。「mmc」と入力し、[OK] を押す。
  4. [コンソール1] で [コンソール] - [スナップインの追加と削除] を選択する。
  5. [スナップインの追加と削除] で [追加] をクリックする。
  6. [スタンドアロン スナップインの追加] で「Active Directoryスキーマ」を選択、[追加] し、[閉じる] をクリックする。
  7. [スナップインの追加と削除] で [OK] をクリックし、[スナップインの追加と削除] を終了する。
  8. [コンソール1] の [コンソール ルート] - [Active Directory スキーマ] を選択し、右クリックする。
  9. 表示されたメニューから、[ドメイン コントローラの変更] を選択する。
  10. [ドメインコントローラの変更] で、[名前の指定] を選択し、DC2008AのFQDN (DC2008A.domain.jp) を入力後、[OK] を押す。
  11. [コンソール1] で [コンソール ルート] - [Active Directory スキーマ] を選択し、右クリックする。
  12. 表示されたメニューから、[操作マスタ] を選択する。
  13. [変更] をクリックし、「操作マスタを変更しますか?」メッセージで、[OK] を、「操作マスタは転送されました。」メッセージでも [OK] をクリック。
  14. [スキーマ マスタの変更] で、[キャンセル] をクリック。
ドメイン名前付け操作マスタの転送
  1. [スタート] - [プログラム] - [管理ツール] - [Active Directory ドメインの信頼関係] を選択する。
  2. [Active Directory ドメインと信頼関係] で、「Active Directory ドメインと信頼関係」を右クリックし、メニューから [ドメイン コントローラに接続] を選択する。
  3. リストから、「DC2008A.domain.jp」を選択し、[OK] をクリック。
  4. Active Directory ドメインと信頼関係」を右クリックし、メニューから [操作マスタ] を選択する。
  5. [操作マスタの変更] で、[変更] をクリック。メッセージが2回表示されるので、いずれも [OK] をクリックする。
  6. [操作マスタの変更] で、[閉じる] をクリック。
インフラストラクチャマスタ、PDCマスタ、RIDマスタの転送
  1. [スタート] - [プログラム] - [管理ツール] - [Active Directory ユーザーとコンピュータ] を選択する。
  2. Active Directory ユーザーとコンピュータ [DC2000A.domain.jp]」-「domain.jp」を右クリックし、メニューから[ドメイン コントローラに接続] を選択する。
  3. リストから「DC2008A.domain.jp」を選択し、[OK] をクリック。
  4. Active Directory ユーザーとコンピュータ [DC2000A.domain.jp]」を右クリックし、メニューから [操作マスタ] を選択する。
  5. [インフラストラクチャ] タブを選択し、[変更] をクリック。「操作マスタの役割を転送しますか?」のメッセージで、[はい] を選択。
    続いて表示される「操作マスタの役割が正しく転送されました。] のメッセージでは、[OK] をクリックする。
  6. [PDC]、[RID] タブも同様に処理する。

Windows 2000 Server DCの降格

Windows 2000 Server DCの降格

この作業はDC2000A、DC2000Bで実行する。

  1. DC2000Aで [スタート] - [ファイル名を指定して実行] を選択。「dcpromo」と入力し、[OK] をクリック。
  2. Active Directory のインストール ウィザードの開始」で [次へ] 進む。
  3. 「このドメイン コントローラはグローバル カタログ サーバーです。……」のメッセージが表示されたら、[OK] をクリックする。
  4. Active Directory の削除」で [このサーバーはドメインの最後のドメイン コントローラです」のチェックがオフになっていることを確認し、[次へ] 進む。
  5. 「Administratorのパスワード」で、パスワードを入力し、[次へ] 進む。
  6. 「概要」が表示されるので、内容を確認し、「次へ] 進む。
    Active Directory を構成しています。…」と表示されるので、しばらく待つ。
  7. Active Directory のインストール ウィザードの完了」が表示されたら、[完了] をクリック。
  8. Active Directory のインストール ウィザードによって……」のメッセージが表示されたら、[再起動する] をクリック。
  9. 再起動後、2000Aをドメインメンバからも外し、ネットワーク上から撤去する。
  10. DC2000Bでも同様に処理し、DCから降格する。
DNSの移行

この作業はDC2000AとDC2000B、DC2008Aで行う。まず、Remote Server Administration Tools (RSAT) を入れてあるクライアントPCか、フルインストールしているWindows Server 2008にログインして作業する。
この作業は、本来不要なのかも……、うまく行かなかったので、追加した。

  1. DNS マネージャーを起動する。[スタート] - [管理ツール] - [DNS] とメニューを選択していく。
    ※ここでログインしているIDがサーバ管理者出ない場合、権限のあるアカウントで起動する必要があるので注意。
  2. [DNS マネージャー] で [DNS] を右クリック、[DNS サーバーに接続]を選択する。
  3. [次のコンピューター] を選択し、[DC2000A] と入力し、[OK] する。
  4. [DC2000A] - [前方参照ゾーン] - [domain.jp] を右クリックし、[プロパティ] を選択する。
  5. [domain.jp のプロパティ] で [ネーム サーバ] と [ゾーンの転送] を確認し、DC2008Aに転送できるようにしておく。
    (例) [ゾーンの転送] で [ネーム サーバー タブの一覧にあるサーバーのみ] とし、[ネーム サーバー] で一覧に "DC2008A.doamin.jp" を追加する。
  6. [DNS マネージャー] で [DNS] を右クリック、[DNS サーバーに接続]を選択する。
  7. [次のコンピューター] を選択し、[DC2008A] と入力し、[OK] する。
  8. [DNS] - [DC2008A] - [前方参照ゾーン] を右クリック。[新しいゾーン] を選択しする。
  9. 「新しいゾーン ウィザードの開始」で [次へ] 進む。
  10. 「ゾーンの種類」で [セカンダリ ゾーン] を選択し、[次へ] 進む。
  11. 「ゾーン名」で "domain.jp" と入力し、[次へ] すすむ。
  12. 「マスター DNS サーバー」で "192.168.0.1" もしくは "DC2000A.domain.jp" と入力し、[次へ] 進む。
  13. 「新しいゾーン ウィザードの完了」で [完了] する。
  14. [DNS] - [DC2008A] - [前方参照ゾーン] - [domain.jp] を右クリック。[プロパティ] を選択しする。
  15. [全般] で [変更] をクリック。開いた画面で、[プライマリ ゾーン] を選択し、[OK] する。
  16. [domain.jp のプロパティ] で [OK] をクリック。
  17. 他にも管理しているゾーンがあれば、同様の処理を行う。
  18. [DNS] - [DC2008A] - [前方参照ゾーン] - [domain.jp] を右クリック。[プロパティ] を選択しする。
  19. [全般] で [変更] をクリック。開いた画面で、[Active Directory にゾーンを格納する] をチェックし、[OK] する。
  20. 「このゾーンを Active Directory 統合にしますか?」で [はい] を選択する。
  21. [動的更新] で "セキュリティ保護のみ" もしくは "非セキュリティ保護およびセキュリティ保護" にし、[OK] を押す。
  22. [DNS マネージャー] で [DNS] を右クリック、[DNS サーバーに接続]を選択する。
  23. [次のコンピューター] を選択し、[DC2008B] と入力し、[OK] する。
  24. DC2000A、DC2000BのDNSの役割を削除する。
    この作業は Windows コンポーネントの追加と削除で行う。
IPアドレスの変更

DC2000A、DC2000BのIPアドレスDNSを自動的に取得するに変更する。
DC2008A、DC2008BのIPアドレスをそれぞれDC2000A、DC2000Bが使用していたものに変更する。
全部再起動してみる。

ドメイン、フォレストの機能レベル変更 (DC2008A)

この作業は、DC2008Aで行う。Core Installの状態なので、他のPC (ホストPC) に Remote Server Administration Tools(以下RSAT)をインストールし、そちらから設定する。
RSATの設定は済んでいるものとして説明する。

ドメインの機能レベル変更
  1. ホストPCで [Active Directory ユーザーとコンピュータ] を起動する。Windows 7の場合、[スタート] - [すべてのプログラム] - [管理ツール] - [Active Directory ユーザーとコンピューター] と選択していく。
  2. Active Directory ユーザーとコンピューター [xxxx]」で、xxxxの部分が「DC2008A.domain.jp」でなければ、DC2008A.domain.jpに接続する。
    右クリックし、メニューから [ドメイン コントローラの変更] を選択。リストから「DC2008A.domain.jp」を選択し、[OK] を押す。
  3. Active Directory ユーザーとコンピューター [DC2008A.domain.jp]」 - 「domain.jp」を右クリックし、メニューから [ドメインの機能レベルの昇格] を選択。
  4. リストから [Windows Server 2008 R2] を選択し、[上げる] をクリック。2回メッセージが表示されるので、どちらも [OK] をクリックする。
  5. もう一度、「Active Directory ユーザーとコンピューター [DC2008A.domain.jp]」 - 「domain.jp」を右クリックし、メニューから [ドメインの機能レベルの昇格] を選択する。ここで、ドメインの機能レベルが「Windows Server 2008 R2」になっていることを確認し、[閉じる]。
フォレストの機能レベル変更
  1. ホストPCで [Active Directory ドメインと信頼関係] を起動する。Windows 7の場合、[スタート] - [すべてのプログラム] - [管理ツール] - [Active Directory ドメインと信頼関係] と選択していく。
  2. Active Directory ドメインと信頼関係[xxxx]」で、xxxxの部分が「DC2008A.domain.jp」でなければ、DC2008A.domain.jpに接続する。
    右クリックし、メニューから [ドメイン コントローラの変更] を選択。リストから「DC2008A.domain.jp」を選択し、[OK] を押す。
  3. Active Directory ドメインと信頼関係[DC2008A.domain.jp]」で右クリック、メニューから「フォレストの機能レベルの昇格」を選択。
  4. リストから [Windows Server 2008 R2] を選択し、[上げる] をクリック。2回メッセージが表示されるので、どちらも [OK] をクリックする。
  5. もう一度、「Active Directory ドメインと信頼関係[DC2008A.domain.jp]」で右クリック、メニューから「フォレストの機能レベルの昇格」を選択。ここで、フォレストの機能レベルが「Windows Server 2008 R2」になっていることを確認し、[OK] を押す。

SYSVOL複製方式の変更

この作業は、DC2008Aで行う。

  1. コマンドプロンプトで "dfsrmig /GetGlobalState" を実行し、現在の状態を確認する。次のように表示される。
    DFSR 移行がまだ初期化されていません。移行を開始するには、グローバル状態を目的の値に設定してください。
  2. コマンドプロンプトで "dfsrmig /SetGlobalState 0" を実行し、DSFR移行のグローバル状態を「開始」にする。次のように表示される。
    DFSR の現在のグローバル状態: '開始'
    新しい DFSR のグローバル状態: '開始'
    無効な状態変更が要求されました。
  3. コマンドプロンプトで "dfsrmig /GetGlobalState" を実行し、再び、現在の状態を確認する。次のように表示される。
    DFSR の現在グローバル状態: '開始'
    成功しました。
  4. コマンドプロンプトで "dfsrmig /GetMigrationState" を実行し、グローバル状態が「開始」になっていることを確認する。次のように表示される。
    すべてのドメイン コントローラーがグローバル状態 '開始' に移行しました。
    移行状態が、すべてのドメイン コントローラ上で整合性の取れた状態になりました。
    成功しました。
  5. コマンドプロンプトで "dfsrmig /SetGlobalState 1" を実行し、DFSR移行のグローバル状態を「準備完了」にする。次のように表示される。
    DFSR の現在のグローバル状態: '開始'
    新しい DSFR のグローバル状態: '準備完了'

    '準備完了' 状態に移行します。DFSR サービスによって SYSVOL が SYSVOL_DFSR フォルダーにコピーされます。

    いずれかの DC で移行を開始できない場合は、手動ポーリングを試行してください。
    または、/CreateGlobalObjects オプションを指定して実行してください。
    移行は 15 分から 1 時間までの任意の時点で開始できます。
    成功しました。
  6. DFS Replicationのイベントログを確認する。イベントID 8010 (移行準備開始)、8014 (移行準備完了) が記録されていることを確認する。
    これには少し時間がかかるので記録されるまで待つ。
  7. コマンドプロンプトで "dfsrmig /GetMigrationState" を実行し、グローバル状態が「準備完了」になっていることを確認する。次のように表示される。
    すべてのドメイン コントローラーがグローバル状態 '準備完了' に移行しました。
    移行状態が、すべてのドメイン コントローラ上で整合性の取れた状態になりました。
    成功しました。
  8. コマンドプロンプトで "dfsrmig /SetGlobalState 2" を実行し、DFSR移行のグローバル状態を「リダイレクト済み」に設定する。次のように表示される。
    DFSR の現在のグローバル状態: '準備完了'
    新しい DFSR のグローバル状態: 'リダイレクト済み'

    'リダイレクト済み' 状態に移行します。SYSVOL 共有が、 DFSR を使用してレプリケートされた SYSVOL_DFSR フォルダーに変更されます。
    成功しました。
  9. 再びイベントログでID: 8015 (リダイレクト処理開始)、8017 (リダイレクト処理完了) が記録されていることを確認する。これも少し時間がかかる。
  10. コマンドプロンプトで "dfsrmig /SetGlobalState 3" を実行し、DFSRのグローバル状態を「削除済み」にする。次のように表示される。
    DFSR の現在のグローバル状態: 'リダイレクト済み'
    新しい DFSR のグローバル状態: '削除済み'

    '削除済み' 状態に移行します。このステップを元に戻すことはできません。

    いずれかの RODC が長時間にわたって '削除済み' 状態になっている場合は、/DeleteRoNtfrsMembers オプションを指定して実行してください。
    成功しました。
  11. もう一度イベントログを確認する。ID 8018 (削除済み開始)と8019 (削除済みリダイレクト処理完了) が記録されていることを確認する。これも少し時間がかかる。
  12. コマンドプロンプトで "dfsrmig /GetMigrationState" で、グローバル状態が「削除済み」になっていることを確認する。次のように表示される。
    すべてのドメイン コントローラーがグローバル状態 '削除済み' に移行しました。
    移行状態が、すべてのドメイン コントローラ上で整合性の取れた状態になりました。
    成功しました。

画面のロック解除時に、「このワークステーションとプライマリ ドメインとの信頼関係に失敗しました。」と表示され、ロック解除ができない

【症状】
Active Directory ドメインに参加しているWindows 7クライアントを使用している。画面ロックした後、ロック解除時に、「このワークステーションとプライマリ ドメインとの信頼関係に失敗しました。」と表示され、ロック解除ができなくなる。

【環境】

Active Directory Windows 2000ドメイン
クライアントPCのOS Windows 7 Enterprise (x64、x86)

【原因】
どうやらセキュア チャンネルの破損らしい。
クライアントPCの管理者として

> nltest /SC_VERIFY:<ドメイン名>

とすると、

フラグ: 80
信頼された DC 名
信頼された DC 接続状態 Status = 5 0x5 ERROR_ACCESS_DENIED
信頼の確認  Status = 5 0x5 ERROR_ACCESS_DENIED
コマンドは正常に完了しました

となる。また、ドメイン コントローラで

> netdom verify <クライアントPC名> domain:<ドメイン名>

とすると、

ログオン エラー: 対象のアカウント名は間違っています。

The command failed to complete successfully.

となる。

正常な場合、nltestは

フラグ: b0 HAS_IP HAS_TIMESERV
信頼された DC 名 <DC名>
信頼された DC 接続状態 Status = 0 0x0 NERR_Success
信頼の確認 Status = 0 0x0 NERR_Success
コマンドは正常に完了しました

となり、netdomは

The secure channel from <クライアントPC名> to the domain <ドメイン名> has been verified. The connection
is with the machine <DC名>
The command completed successfully.

となる。

詳しくは、ドメインにログオンできない ~ セキュア チャネルの破損 ~ – Ask the Network & AD Support Teamに書いてある。

【解決方法】
クライアントPCから次の作業を行う。

  1. ドメインから離脱し、再起動。
  2. 再起動後、再度ドメインに参加する。

Windows Server 2008 R2 Standard のCoreインストール

構成

OS Windows Server 2008 R2 Standard
(Coreインストール)
PC Dell PowerEdge 830 (RAM: 2.5GB)
機能 ドメインコントローラ (FSMO)
DNS (プライマリ)
WINS
共有ファイルサーバ (DFS)

インストール

とにかくインストール。OSのエディションを選択するところ以外、特に悩むことはない。

セットアップ

(2011.3.10追記) 下にいろいろ書いたが、R2からは "sconfig.cmd" という初期構成を設定できるプログラムが導入されている。CUIながら、ある程度は簡単に管理できるようだ。

コンピュータ名の変更
> netdom renamecomputer <現在のコンピュータ名> /NewName:<新しいコンピュータ名>
ネットワーク設定

次のように設定する。

IPアドレス 192.168.0.1
サブネットマスク 255.255.255.0
DNS 192.168.0.17、192.168.0.18
ゲートウェイ 192.168.0.254

1. 次のコマンドで設定するLANアダプタのインデックス (Idx) を確認。

> netsh interface ipv4 show interface

2. 次のコマンドでIPアドレスサブネットマスク、デフォルトゲートウエイを設定。

> netsh interface ipv4 set address name="<Idx>" source=static address=<IPアドレス> mask=<サブネットマスク> gateway=<デフォルトゲートウエイ>

3. 次のコマンドでDNSサーバを設定。最初の登録はDNSインデックスを1に、2代目以降は1ずつ増やしていく。

> netsh interface ipv4 add dnsserver name="<Idx>" address=<DNSサーバアドレス> index=<DNSインデックス>
サーバ管理ツールRSATの準備

Windows Server 2008/R2を管理するため、サーバ管理ツール Remote Server Administration Tools (RSAT) を準備する。
まずは、Server Coreのファイアウォームがリモート管理関連通信をブロックしているので、解除する必要がある。

> netsh advfirewall set currentprofile settings remotemanagement enable

なお、禁止するには最後の「enable」を「disable」にする。セキュリティ上は禁止状態に戻す方が良い。

> netsh advfirewall set currentprofile settings remotemanagement disable

次の場所からダウンロードし、インストールを行う。

OS 入手先
Windows Vista (32bit) Download Windows Vista 用 Microsoft リモート サーバー管理ツール from Official Microsoft Download Center
Windows Vista (64bit) Download Windows Vista for x64-based Systems 用 Microsoft リモート サーバー管理ツール from Official Microsoft Download Center
Windows 7 (32、64bit) Download Windows 7 Service Pack 1 (SP1) 用のリモート サーバー管理ツール from Official Microsoft Download Center

インストールした後、管理対象の機能を選択する。コントロールパネルを開き、[プログラム] - [プログラムと機能] と進む。Windows 7の場合は、左側に [Windows の機能の有効化または無効化] をクリック、Vistaは……知りません。
表示された一覧に [リモートサーバー管理ツール] の中から管理したいものを選択し、[OK] を押す。

リモートデスクトップの許可

何かと不便なので、リモートデスクトップを許可する。

> cscript %windir%system32\SCRegEdit.wsf /ar 0

無効にする場合は、最後の0を1にすれば良い。

> cscript %windir%system32\SCRegEdit.wsf /ar 1
<||
アクセスできない場合がある。この時は、エクスプローラから "\\servername" とするとか、コマンドプロンプトで
>|dos|
> net use * \\<サーバ名>\c$ /u:<ユーザ名>

とかするなりして、一度認証しておくとアクセスできるようになる。

Active Directoryへの参加
> netdom join <コンピュータ名> /domain:<ドメイン名> /userd:<ドメイン名>\<ドメイン参加権のあるユーザ名> /passwordd:*
Active Directoryからの離脱
> netdom remove
ページファイルの設定

今回、必要かどうかは不明だが、余っているHDDをページファイル専用として用意した。

C: 400MB
P: 16,384MB

まず、次のコマンドでシステム ページファイル 管理を無効にする。name=の後は "" を忘れないように……。

> wmic computersystem where name="%computername%" set AutomaticManagedPagefile=False

次のコマンドでC:ドライブのページファイルを400Mに変更する。

> wmic pagefileset set InitialSize=400, MaximumSize=400, Name="C:\\pagefile.sys" 

次のコマンドでP:ドライブのページファイルを作成する。

> wmic pagefileset create InitialSize=16384,MaximumSize=16384, Name="P:\\pagefile.sys"
分散ファイルシステムのセットアップ
  1. 次のコマンドで分散ファイルシステム名前空間サーバ (DFSN-Server) をインストール。
    "dism /online /enable-feature /featurename:DFSN-Server"
  2. 次のコマンドで分散ファイルシステムレプリケーションをインストール。
    "dism /online /enable-feature /featurename:DFSR-Infrastructure-ServerEdition"
  3. 管理ツールから [DFS の管理] を起動する。
  4. [DFS の管理] を右クリックし、[新しい名前空間] を選択する。
  5. 名前空間サーバー」でサーバ名を入れ、[次へ] 進む。
  6. 名前空間の名前と設定」で名前空間の名前を入れ、[次へ] 進む。
    ※必要なら [設定の編集] で共有フォルダのパスやアクセス権を設定する。
    ※共有フォルダのパスが既に存在すると、エラーとなるので無い状態にする。
  7. 名前空間の名前と設定」で [次へ] 進む。
  8. 名前空間の種類」で名前空間の種類を選択し、[次へ] 進む。今回は、[ドメイン ベースの名前空間] を選択した。
  9. 「設定の確認と名前空間の作成」で設定内容を確認し、[作成] する。
Hyper-Vのセットアップ
  1. 次のコマンドでHyper-Vをインストール。
    "dism /online /enable-feature /featurename=Microsoft-Hyper-V"
  2. 再起動が要求されるので、素直に再起動。
Symantec Endpoint Protectionのインストール
  1. うちでは、EPP管理サーバが作成したパッケージを用意している。
    そのためか、VC++ 2005再配布再頒布可能パッケージを最初にインストールする。
    場所は、\SEPWin64\x64。ここにある "vcredist_x64.exe" を実行する。
  2. そのあと、EPP管理サーバが作成したパッケージをインストールする。
  3. 因みに、アンインストールするには、次のコマンドを使う。
> wmic product where name="Symantec Endpoint Protection" call uninstall

Dell PowerEdge 830のBMC利用

BIOS/IPMI設定

起動画面の途中で [F2] を押すとBIOS設定画面に、[Ctl]+Eを押すと [IPMI Server Management Configuration Utility] に移動できる。

IPMI Server Management Configuration Utility
IPMI Over LAN On
IPMI LAN Channel ネットワークに合わせて設定
User Configuration アカウント名、パスワードを設定
Host Name String ホスト名を設定
BIOS
Integrated Devices - Serial Port BMC NIC
Console Redirection - Console Redirection Serial Port

管理で使用するPCの準備

  1. 付属のSystem Management Consoles CDを自動実行。
  2. Dell OpenManage Management StationインストーラからMSDEをインストール。
  3. 続いて、Management Stationのインストール。
    カスタムインストールを選択し、[BMCコンソール] を追加する。

利用方法

  1. コマンドプロンプトを起動する。
  2. OpenManage Management Stationのインストール先にある "bmc" ディレクトリへ移動する。デフォルトでは "C:\Program Files\Dell\SysMgt\bmc"
  3. 書式は "ipmish -ip xxx.xxx.xxx.xxx -u useracount -p password command" となる。
    xxx.xxx.xxx.xxxはIPMIに設定したIPアドレス、useracount、passwordもIPMIに設定したもの。commandは次のようなものがある。詳細は "ipmish -help" で確認できる。
command 内容
identify フロントパネルのLEDを制御する
identify on - LED点灯
identify off - LED消灯
power 電源を制御する。
power status - 電源の状態を表示
power on - 電源ON
power off - 電源OFF命令を発行 (電源オフするかどうかは状況次第)
power cycle - 電源をOFFした後、ONする
power reset - システムリセットを出す
sysinfo システム情報を取得する。
sysinfo fru - FRU関連情報
sysinfo, sysinfo id - BMC関連情報