里海の魅力全開・福井若狭  舞若道全通で近くなる

 福井県の若狭地方を横断する舞鶴若狭自動車道が7月20日に全線開通する。地元では「若狭さとうみハイウェイ」と愛称を付け、高速交通網を使った広域的な誘客を目指す。7月から11月30日までの5カ月間、県や沿線自治体などでは「海湖(うみ)と歴史の若狭路キャンペーン」を展開、地域の伝統的な祭りに加えて記念イベントを開催し、近く便利になった若狭をアピールする。
7月20日開通 関西、中京、北陸を回廊化
この夏、若狭へのアクセスが格段に向上する。舞鶴若狭自動車道が7月20日にいよいよ全通。京阪神と北陸を結ぶ環状高速道路ネットワークが完成することで、若狭が近くなることはもちろん、周遊の幅も拡大する。
今回開通する区間は、小浜IC(福井県小浜市)―敦賀JCT(同敦賀市)間約39キロ。これで吉川JCT(兵庫県三木市)―敦賀JCTの延長約162キロが全線開通となり、若狭エリア内を走る舞若道区間の愛称も「若狭さとうみハイウェイ」と名付けられた。今回の開通で、これまで一旦一般道を経由しなければならなかった小浜―敦賀間の移動がスムーズになり、所要時間は約30分短縮。京阪神から若狭・福井方面への心理的な壁が解消されるほか、エリア内の移動もより便利になる。

長井浜海水浴にもスムーズに(おおい町の長井浜)
これで名神高速中国道北陸道舞鶴若狭道が1本に結ばれるほか、今年度中に京都縦貫道も全通するなど関西・福井間の高速道路網が完成。関西や中部、さらには中国、四国地方など各方面からも若狭への観光客増が期待でき、周辺観光地への周遊も含めバラエティに富んだ旅程の設定が期待できそうだ。
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 海湖と歴史の若狭路キャンペーンは、若狭さとうみハイウェイの全線開通を記念し若狭全域で特別イベントを実施する。
11月まで全域で 特別展やラリー、祭りも 小浜市の若狭歴史博物館は、ハイウェイの開通直前の7月18日にリニューアルオープンし、11月30日まで記念展を開催する。普段は見ることができない仏教絵画などを特別に公開する。
 美浜町では10月4日―11月16日、町総合体育館で若狭路恐竜展2014が開かれる。福井県立恐竜博物館が所蔵する約20体の恐竜全身骨格標本や化石を展示する。期間中には、全国のゆるキャラを集めた大運動会、若狭の伝統食材へしこを使った料理対決なども予定されている。
 若狭町では7月20―21日、オープニングイベントとして県内ご当地グルメを一堂に集め、伝統工芸の体験や物産販売が楽しめる。
 三方町ではキャンペーン期間中、三方五湖を望むレインボーラインが半額で通行できる。普通車は通常1040円が520円で走行できる。
 そのほか、特産品がプレゼントされるスタンプラリー、宿泊や特産品の購入で1万円以上を使った観光客にキックバックするモリモリキャンペーンなども併催する。
 また、既存の祭り、イベントのアピールも強化している。おおい町で8月9日に開かれ、迫力ある松明行列が見もののスーパー大火勢(おおがせ)は今年で20周年。敦賀市の大花火大会は8月16日、高浜町の漁火想は8月2日に開かれるなど8月は若狭一帯で花火大会が相次ぐ。この時期は海水浴シーズンでもあり、おおい町の長井浜、美浜町の水晶浜、敦賀市の水浜は多くの人で賑わい、海釣り体験(小浜市)やシーカヤック体験(高浜町)も人気。
 秋は、小浜市おおい町名刹をめぐる秘仏めぐりバスツアー、若狭町の熊川宿で人力車や猿回しのイベント(10月5日)などが行われる。若狭地方最大の祭り「放生祭(ほうぜまつり)」は9月13―14日に小浜市で開かれる。OBAMA食のまつり(10月11―12日)、つるが観光物産フェア(10月25―26日)など実りの秋を体感するイベントもある。

放生祭 若狭最大の祭り「放生祭」は9月に小浜市
 さらにキャンペーンでは、夏のウナギやくずまんじゅう、へしこ、秋のフグやアオリイカ、自然薯などグルメを旅行会社に売り込んでいる。
 そのほか映画「サクラサク」のロケ地めぐり、敦賀市の中池湿地体験ツアーなど着地型観光の企画もそろえる。